演題

当院における大腸癌肺転移切除症例の検討

[演者] 中島 一記:1
[著者] 安達 智洋:1, 向井 正一郎:1, 矢野 琢也:1, 河内 雅年:1, 佐田 春樹:1, 田口 和浩:1, 川堀 勝史:1,2, 惠木 浩之:1, 大段 秀樹:1
1:広島大学附属病院 消化器外科, 2:医療法人 三渓会 川堀病院

【背景】
近年大腸癌の増加や診断能の向上,化学療法の進歩による再発,転移の治療の長期化により,肺転移の増加を認める.治療に関しては,大腸癌の肺転移に対して外科的根治切除を行うことで予後改善の可能性が言われているが,まだ検討の余地がある.
【目的】
当院における大腸癌肺転移手術症例の臨床病理学的因子を検討し,予後リスク因子を解析する.また,Grade分類での5年生存率を検討する.
【対象】
1985年1月から2016年5月までの間に当院で施行された大腸癌肺転移切除症例74例を対象とした.当院での肺転移手術適応は,肺転移診断時より3か月以上病勢がコントロール可能な肺転移とし,術後に十分な肺機能が温存されれば,転移個数,局在は規定していない.
【方法】
大腸癌肺転移切除症例74例を臨床病理学的因子(年齢,性別,組織型,部位,同時性異時性,原発巣TNM因子,原発巣pStage,原発巣術後化学療法の有無,DFI期間,肺転移腫瘍径,肺転移個数,両葉片葉,肺切除後化学療法の有無,肺転移切除後遠隔転移)で予後リスクを解析した.Grade分類による5年生存率を検討する.
【結果】
全症例の年齢(中央値)64歳,男:女=34:40,原発部位 右側:左側:不明=6:65:3,T因子 T1,2:T3,=10:64,N因子 N0:N1,2,3=32:42,M因子 M0:M1=64:10,原発巣TMN分類1:2:3:4 :不明=7:20:35:10:2,肝転移の既往 有:無=24:50肺転移部位 片側:両側=59:15,肺転移個数 単発:複数51:23,肺転移大きさ 3cm<:>3cm:54:19,DFI 24M<:=>24M= 41:33,肺転移術後化学療法の有無 有:無=57:16,H:PUL:P:LYM:BRA:その他:無=7:32:4:8:3:35.全症例の5年生存率は58.5%であった.単変量解析では,Grade分類(p=0.02),原発巣リンパ管侵襲(p=0.06),脳転移(p=0.07)が予後リスク因子であった.また,Grade分類では,Grade A:B:C=36:23:15.GradeA:B:Cの5年生存率は75.7%:49.9%:33.3% (P=0.04)で,予後に有意な差を認めた.
【結語】
当院における大腸癌肺転移症例においては,原発巣ly陽性と脳転移が予後リスクだった.またGrade分類に準じた予後は,多施設の結果とほぼ同等であった.この臨床病理学的因子について,さらなる症例の集積と解析が必要である.
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