演題

当院における大腸癌肺転移根治切除後の長期成績

[演者] 長澤 芳信:1
[著者] 賀川 弘康:1, 絹笠 祐介:1, 塩見 明生:1, 山口 智弘:1, 山川 雄士:1, 坂東 悦郎:2, 寺島 雅典:2, 杉浦 禎一:2, 上坂 克彦:2
1:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 消化器外科

【背景】大腸癌の肺転移切除術後の5年生存率(OS)は30~68%と報告され,大腸癌治療ガイドライン2016年版では,肺転移巣が切除可能であれば肺切除を考慮するとされる.当院における肺転移症例に対する根治的切除の長期成績から,肺転移切除術の妥当性を検討する.
【方法】2002年9月から2011年9月までに大腸癌肺転移に対し根治的肺切除術を施行された71例を対象とした.
【結果】年齢は64(35-80)歳,男女比は48/ 23例,原発腫瘍の主占居部位は右結腸/ 左結腸/ 直腸が9/ 15/ 47例,組織型はtub1/ tub2/ por/ mucが21/ 45/ 3/ 2例,pT1/ 2/ 3/ 4a/ 4bが0/ 4/ 52/ 9/ 6例,pN0/ 1/ 2/ 3が21/ 40/ 8/ 2例,pStage I/ II/ IIIa/ IIIb/ IVが2/ 15/ 26/ 11/ 17例であった.肺転移の詳細は同時性/ 異時性転移が14/ 57例,Disease Free Intervalは15(0-81)か月であった.片側性/ 両側性転移は53 / 18例,転移病巣数は1(1-6)個,転移巣腫瘍径は11(3-35)mmで,PUL1/ 2が61/ 10例,肺転移症例の予後分類Grade A/ B/ Cが22/ 31/ 18例,部分切除/ 区域切除/ 葉切除が52/ 8/ 11例に施行された.術後補助療法が施行された例は44例(62%)で,内訳はFOLFOX/ FOLFIRI/ 5-FU+LV/ Capecitabine/ UFT+LVが17/ 5/ 7/ 5/ 10であった.観察期間は肺切除後60(12-155)か月で,全症例における肺切除後5年全生存率(OS)は69.4%,同時性転移,異時性転移の5年OSはそれぞれ59.6%,71.7%と同等であった.Grade A/ B/ C群の5年OSはそれぞれ81.0/ 77.4/ 44.4%で有意差を認めた.肺切除後補助化学療法は予後に影響を与えなかった.全症例の5年無病生存期間(DFS)は43.5%,同時性転移,異時性転移の5年DFSはそれぞれ,34.3%,45.6%と同等であった.Grade A/ B/ C群の5年DFSはそれぞれ63.6/ 44.7/ 16.7%であった
【考察】大腸癌肺転移根治切除後の予後は比較的良好であった.Grade C群において肺切除後5年DFSは16.7%であるものの,5年OSは44.4%と比較的良好であり,積極的な切除が予後の向上につながると考えられた.
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