演題

大腸癌肺転移に対する肺切除症例13例の検討

[演者] 梶本 徹也:1
[著者] 良元 和久:1, 坪井 一人:1, 吉田 清哉:1, 道躰 隆行:1, 阿部 恭平:1, 谷田部 沙織:1, 柏木 秀幸:1, 森川 利昭:2
1:富士市立中央病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院

当科において,2008年1月から2015年12月までの8年間に,大腸癌原発の肺転移に対して肺切除術を施行した13症例を検討した.手術適応は肺切除によりR0を期待できるか,原発巣や他の転移巣がコントロールされている症例である.肺切除は,部分切除/区域切除/葉切除を病態に応じて選択し,全て胸腔鏡下に施行した.13例中2例は複数回の肺切除を受けている.原発巣切除/初回肺切除時の平均年齢は67.7歳/70.1歳であり,肺切除までの平均期間は平均27.9か月(中央値29か月)であった.原発部位は,直腸癌7例,S状結腸癌3例,上行結腸癌・下行結腸癌・虫垂癌が各1例であった.pStageは,I:1例,Ⅱ:1例,Ⅲ:5例,Ⅳ:6例であった.肺切除以前に,肺以外への転移がみられた症例は4例(肝転移3例,膵転移1例)で,肝転移1例を除く3例に対して,化学療法や外科的切除を行い,R0を得ている.13例中,同時性/続発性肺転移は4例/9例で,単発性/多発性肺転移は9例/4例であった.肺切除後の観察期間は4か月~7年5か月(中央値2年8か月)である.肺切除後の転移再発は9例にみられ,2例は無再発生存(共に肺転移,追加肺切除を施行),3例再発生存,3例再発死亡,1例再発不明である.肺切除後に転移再発のみられない4例は全員生存している.13例中12例において,化学療法/分子標的薬療法が行われている.無再発群6例と再発群7例を比較検討(単変量解析)すると,肺切除後の転移が予後に影響を及ぼす可能性が示唆された.
大腸癌研究会プロジェクト研究(大腸癌原発)によると,肺切除例の5年生存率は46.7%,無再発生存率は33.7%であると報告されている.また,転移生肺腫瘍研究会(原発問わず)の報告では,転移巣切除後の5年生存率は28.9%である.今回の報告は,観察期間の短い症例も含まれるretrospective studyではあるが,上記報告と同様に,肺切除を行うことが可能な大腸癌肺転移症例では,集学的治療を付加することにより,良好な予後が得られる可能性がある.
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