演題

PP3-4

膵胆管合流異常を伴った重複胆管の1例

[演者] 星野 弘毅:1
[著者] 堤 裕史:1, 室谷 研:1, 橋本 直樹:1, 岩崎 茂:1
1:館林厚生病院 外科

【要旨】症例は35歳,女性.心窩部絞扼感,嘔気を主訴に当院救急搬送された.血液生化学検査で炎症反応,および血清アミラーゼ値の上昇を認め,急性膵炎の診断で当院内科に入院となった.入院時CTで膵腫大,膵周囲の液体貯留を認めていた(CT grade1)が,重複胆管および膵胆管合流異常疑いを指摘され当科紹介となった.保存的治療にて膵炎改善後,MRCP,ERCP検査を施行したところ,肝門部より胆管が2本に分岐し,1本はそのままVater乳頭内に開口,もう1本は膵胆管合流異常を伴っていた.膵胆管合流異常を伴う胆管内には一部透亮像を認め,胆管結石の存在も疑われた.胆管径は10mm以上に拡張しており,胆汁中アミラーゼは62170 IU/Lと高値だった.胆汁細胞診はclassⅠで,明らかな異型細胞は認めなかった.以上より,今回の膵炎発症には重複胆管,膵胆管合流異常が関与していると考えられ,今後の胆道癌発生リスクが高いため,重複胆管,胆管結石疑い,膵胆管合流異常(新古味分類Ⅲc型),先天性胆道拡張症(戸谷分類Ⅰc型)の診断で,胆嚢摘出術,肝外胆管切除,胆管-空腸吻合,Roux-en-Y再建術を施行した.病理組織学的検査では,胆嚢・胆管に慢性炎症所見を認めたが,明らかな細胞異型や悪性腫瘍は認めなかった.術後経過は良好で,術後16日目に軽快退院した.
【結語】重複胆管は極めて稀な胆管形成異常で,様々な胆管分岐形態をとる.本症例では重複胆管に加え,膵胆管合流異常を伴っており,複雑な胆管・膵管走行を把握するのに術前の3D画像シミュレーションが非常に有用だった.今回,我々は重複胆管に膵・胆管合流異常を合併した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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