演題

PP3-3

良性胆道狭窄の3症例

[演者] 飛永 修一:1
[著者] 角田 順久:1, 和田 英雄:1, 森 くるみ:1, 若田 幸樹:1, 富永 哲郎:1, 野中 隆:1, 國崎 真己:1, 日高 重和:1, 永安 武:1
1:長崎大学大学院 腫瘍外科学

【はじめに】今日の画像診断技術の発達にもかかわらず,種々の検査で胆管狭窄をみとめ胆管癌が疑われるものの悪性の確定診断に至らず手術適応を迷う症例がしばしば見受けられる.今回当科にて経験した結果的に良性であった胆管狭窄3症例を報告する.【症例】症例1,76歳男性.主訴は腹痛.精査目的に腹部CT施行したところ肝S4に限局する肝内胆管拡張を認めた.MRCPでも同様の肝内胆管拡張を認めるが,ともに明らかな腫瘤形成や胆管壁の肥厚を認めなかった.ERCPではB4に7mmのカテーテル挿入にも難渋するような強い狭窄を認めた.狭窄の末梢で胆汁細胞診施行するが陰性であった.腫瘍マーカーはCEA 3.8ng/ml,CA19-9 9.2U/mlと正常範囲内でありIgG4も42mg/dlと正常所見であった.肝内胆管の強い狭窄を認めるも腫瘤像指摘できず積極的に悪性所見を疑う所見に乏しいため十分なinformed consentののち肝左葉切除術を施行した.病理所見は線維化や炎症細胞浸潤を認めるのみで悪性所見を認めなかった.症例2,62歳男性,胆石症の既往あり.経過中閉塞性黄疸をきたし精査.腹部CTでは下部胆管に軽度の造影効果を伴う壁肥厚を認め,また肝S7に低濃度腫瘤を認め転移か膿瘍が疑われた.ERCP施行し,下部胆管に15mm程度の不正な狭窄とその頭尾側に総胆管結石を認めた.IDUSでも同部位に胆管壁の不正な肥厚像を認めた.しかし胆汁細胞診は陰性,また狭窄部の生検組織診も悪性所見を認めなかった.腫瘍マーカーはCEA 4.6ng/ml,CA19-9 431.6U/ml,またIgG4は115mg/dlと軽度の上昇を示した.胆管癌を疑い手術予定であったが胆管ステント留置後膵炎をきたし延期.経過中再度胆管炎をきたし,その際に再度ERCP施行したところ胆管狭窄が改善.以後ESTと胆嚢摘出術を施行したが3年経過して胆管狭窄を認めていない.症例3,72歳男性.慢性膵炎のfollow中胆管拡張と胆道系酵素上昇を認めたため精査.膵炎による胆管の圧排と思われたが胆道鏡下に観察すると胆管上皮に乳頭状増生を認め生検ではBilIN-2相当の異形を認めた.やはり悪性所見が否定できなかったため膵頭十二指腸切除術施行,病理診断では悪性所見を認めなかった.【まとめ】良性胆管狭窄の3症例を経験した.1例は経過中に狭窄が改善し手術を回避できたが,やはり画像診断のみでの良悪性の診断は困難であり生検が必要であると思われた.また癌が否定できない場合に手術による確定診断は必要であると考えられた.
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