演題

PP2-5

胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の切除5例の検討

[演者] 鈴木 敏之:1
[著者] 高橋 進一郎:1, 森末 遼:1, 相澤 栄俊:1, 工藤 雅史:1, 大久保 悟志:1, 高橋 大五郎:1, 杉本 元一:1, 後藤田 直人:1, 小西 大:1
1:国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科

【目的】IPNBは通常の胆管癌と比較して,悪性度が低く,予後が比較的良いと言われている.しかし,再発した症例報告が散見され,当科で切除したIPNBにおいても再発を経験した.患者背景,病理学的所見に関して後方視的に検討し,再発につながる因子について考察した.
【対象】2010年1月から2016年10月までに当科で切除したIPNB5例を対象とした.
【結果】男性が2例で女性が3例,平均年齢67.8歳,CT,MRIでは,胆管拡張と内部の乳頭状構造を認めIPNBの所見であった.画像で病変が疑われてから手術までの期間は中央値2か月(1か月─11か月)であった.発生部位はすべて,肝門部領域で左胆管に主座を認めた.術式は拡大肝左葉切除が4例 肝左3区域切除が1例であった.病理学的には,1例が高度異型腺腫で,上皮内癌,浸潤癌を2例ずつ認めた.胆管断端,剥離面はすべて陰性であり,リンパ節転移を認めなかった.浸潤癌の2症例では,神経周囲侵襲を認めたが,リンパ管侵襲や静脈侵襲は認めなかった.浸潤癌の1例において,術後2年で吻合部直上の右胆管より再度の発癌を認め,術後2年9か月後に原病死した.他の4例は再発なく経過している.再発症例の病理所見では,ICC derived from IPNB 86×69×57mm intraductal growth type H4 St-CMLA Eg fc(+) fc-inf(+) sf(-) s0 vp0 vv0 va0 b0 im(-) Sm(-)であった.再発症例の術後経過は胆管炎を繰り返し,胆管空腸吻合部の狭窄を認めて,ブラシ擦過で腺癌であった.
【結語】病理所見および治療経過から局所再発は否定的で,多中心性発生が示唆された.IPNBの術後は多中心性発生を念頭に入れ,長期的な経過観察が必要と考える.
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