演題
PP1-7
Incidental Gallbladder Cancer after Laparoscopic Cholecystectomy -治療成績と問題点- |
近年,超音波検査やCTなどの画像診断の向上により胆嚢病変が数多く指摘されるようになった.さらには腹腔鏡下胆嚢摘出術が普及し,胆嚢結石症をはじめとする多くの良性胆嚢疾患に対する標準的な外科治療法となっている.その一方で,術後の病理組織学的検査にて初めて胆嚢癌と診断されるincidental gallbladder cancer(潜在性胆嚢癌)が増加しており,その頻度は0.2 %~2.85 %と報告されている.今回われわれは術前に胆嚢癌と疑わず,腹腔鏡下胆嚢摘出術後の病理的検索にて胆嚢癌と診断された23例を経験した.
2007年1月から2016年6月まで当科で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出術は1341例であった.その中で,術後病理検索にて胆嚢癌と診断された23例(1.72 %)を対象とし,術前診断,追加手術の有無,病理診断,予後,術中胆汁漏出の有無等の治療成績とその問題点について解析した.
平均年齢は72歳であった.術前診断は胆嚢ポリープ4例,胆石症14例,急性胆嚢炎が5例であった.TMN分類による術後病理学的検査では,Tis/ T1a/ T1b/ T2/ T3は各々2例/ 7例/ 1例/ 10例/ 3例であった.7例に追加切除が施行された.5年生存率に関しては,TisとT1では86 %,T2以上では73 %であったが2つのグループの間には有意差は認められなかった.TisとT1aのm癌以下では,5年生存率は100 %であった.また,術中操作にて胆汁漏出を認めた群と認めなかった群では,生存率に有意差を認めた.
いわゆるm癌では腹腔鏡下胆嚢摘出術は適切な手術治療であることが分かった.一方で,Incidental gallbladder carcinomaが存在する以上,外科医は常に術中での胆汁漏出を防ぐべきである.
2007年1月から2016年6月まで当科で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出術は1341例であった.その中で,術後病理検索にて胆嚢癌と診断された23例(1.72 %)を対象とし,術前診断,追加手術の有無,病理診断,予後,術中胆汁漏出の有無等の治療成績とその問題点について解析した.
平均年齢は72歳であった.術前診断は胆嚢ポリープ4例,胆石症14例,急性胆嚢炎が5例であった.TMN分類による術後病理学的検査では,Tis/ T1a/ T1b/ T2/ T3は各々2例/ 7例/ 1例/ 10例/ 3例であった.7例に追加切除が施行された.5年生存率に関しては,TisとT1では86 %,T2以上では73 %であったが2つのグループの間には有意差は認められなかった.TisとT1aのm癌以下では,5年生存率は100 %であった.また,術中操作にて胆汁漏出を認めた群と認めなかった群では,生存率に有意差を認めた.
いわゆるm癌では腹腔鏡下胆嚢摘出術は適切な手術治療であることが分かった.一方で,Incidental gallbladder carcinomaが存在する以上,外科医は常に術中での胆汁漏出を防ぐべきである.