演題

PP1-5

当院における偶発胆嚢癌の治療方針の検討

[演者] 田妻 昌:1
[著者] 杉山 陽一:1, 佐々木 秀:1, 新原 健介:1, 亀田 靖子:1, 上神 慎之介:1, 中村 浩之:1, 田崎 達也:1, 香山 茂平:1, 中光 篤志:1
1:JA広島総合病院 外科

【目的】胆嚢癌と診断しない症例において外科切除にて胆嚢摘出を行った際に,摘出胆嚢標本の病理検査にて初めて癌の診断をなされた症例(Incidental Gallbladder Cancer:以下,IGCと略記)について検討した.【対象】2006年1月から2016年1月までの間に当院にて施行した胆嚢摘出911例を対象とした.IGCと診断された症例のうち,深達度SS以深の症例に関しては追加切除を施行した.追加切除の術式は肝床部切除+領域リンパ節郭清とし,術中迅速診断にて胆嚢管断端陽性例,リンパ節転移陽性例のみ肝外胆管切除を追加した.【結果】911例中,IGCは10例(1.09%)であった.また,同期間に当院で胆嚢摘出を施行した胆嚢癌46例のうち,ICGは10例(21%)であった.術式は腹腔鏡下胆嚢摘出術が8例(80%),開腹胆嚢摘出が1例(10%),腹腔鏡下から開腹移行した例が1例(10%)であった.術前診断は胆嚢炎が3例(30%),胆嚢結石症が3例(30%),胆嚢腺筋症が2例(20%),胆嚢ポリープが1例(10%)であった.深達度は全例(100%)がSSであった.7例(70%)に追加切除施行しており,5例(50%)に胆嚢床切除+領域リンパ節郭清,2例(20%)に胆嚢床切除+肝外胆管切除を施行した.4例(40%)に再発を認めたが,死亡例は1例(10%)のみであった.IGCの生存期間中央値は29カ月(5-96)であり,無再発生存期間の中央値は26カ月(5-57)であった.当院でのIGCを除いた胆嚢癌の生存期間中央値は27カ月(3-117),無再発生存期間の中央値は27カ月(3-117)であり,有意差は認めないものの,胆嚢癌と比較しIGCの成績としては不良ではなかった.また,術中胆道造影,胆嚢穿孔も加えると7例(70%)に術中胆汁暴露を認めたが,腹膜播種,ポートサイト再発は認めなかった.【考察】当院のIGC症例では,胆嚢癌と比較し生存率,無再発生存期間ともに成績は不良ではなく,当院での治療方針は妥当だと考えられた.一般的に胆嚢癌手術時の胆嚢管損傷,胆嚢穿孔等による胆汁暴露は,胆嚢穿孔のないものと比較し,ポートサイト再発,腹膜播種等の再発率が優位に高く,予後不良と報告されているが,今回の検討では胆汁暴露によるポートサイト再発,腹膜播種は認められなかった.
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