演題

PP1-4

当院における偶発胆嚢癌の検討

[演者] 中島 亨:1
[著者] 小橋 俊彦:1, 大森 一郎:1, 河毛 利顕:1, 北川 浩樹:1, 大澤 真那人:1, 木村 優里:1, 加納 幹浩:1, 向田 秀則:1, 平林 直樹:1
1:広島市立安佐市民病院 外科

(目的)胆石症や胆嚢炎などの胆嚢良性疾患と術前診断され胆嚢摘出術が施行された後に,病理組織学検査にて胆嚢癌と診断される偶発胆嚢癌は約1%前後認めると報告されている.今回,術前診断が胆嚢ポリープである症例を除く当院における偶発胆嚢癌症例の臨床病理学的因子を検討したので報告する.
(対象と方法)2006年1月から2016年12月までに,当院にて良性疾患と術前診断され胆嚢摘出術を施行した1192例中,偶発胆嚢癌9例(0.8%)について,治療法・臨床病理学的因子・治療成績を検討する.
(結果)男性3例,女性6例,年齢中央値は63歳.術前診断は胆嚢炎6例,胆石症3例であり術式は腹腔鏡下胆嚢摘出術8例(内1例開腹移行),開腹胆嚢摘出術1例であった.腫瘍最大径は中央値55mm(7-75),局所進展度はTisは3例で全例がRokitansky-Ashoff sinus内に認め,T1が1例,T2以上が5例であった.組織型は乳頭腺癌4例,管状腺癌5例であった.T1までの4例には追加切除は行わず,T2以上の5例中1例は術後肺転移を認め化学療法を施行,1例は高齢のため経過観察のみ,3例に二期的追加切除を行った.術式はそれぞれ胆嚢床+肝外胆管切除,肝右葉+肝外胆管切除,胆嚢床切除を行い3例とも領域リンパ節郭清を行った.追加切除症例中,1例にリンパ節転移を認め,1例に胆嚢管から連続する肝外・肝内胆管への上皮内進展を認めR1手術となった.術後補助療法は2例に施行された.全症例の最終Stageは0: 3例,1: 1例,2: 3例,3B: 1例,4B: 1例で4B症例以外では再発は認めないが,術後4ヶ月での在院死を1例経験している.Stage 4B症例は高度炎症,十二指腸への穿通を認め,可及的な胆嚢摘出を施行したが,病理所見からR2手術と判断した.
(結語)当院での偶発胆嚢癌の頻度は0.8%であり,比較的早期の症例を多く認めた.T2以上,追加切除症例数が少なく更なる検討が必要だが,追加切除・術後補助化学療法により5年,2年と無再発生存を得ている症例もあり偶発胆嚢癌に対しての積極的治療は有用な可能性があると考えられた.
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