演題

PP1-3

胆のう摘出術後に偶発的に診断された胆のう癌症例の検討

[演者] 神崎 雅樹:1
[著者] 金沢 孝満:1, 田中 潤一郎:1, 新里 陽:1, 花田 和正:1, 佐藤 あい:1, 中根 康介:1, 前田 守:1, 岸 宏久:2
1:同愛記念病院 外科, 2:同愛記念病院 病理

【背景】胆石症などの良性疾患の診断で切除された胆のうに,術後の病理検査で偶発的に胆のう癌が見つかることは,稀にみられる.我々は当院で経験した偶発的胆のう癌の症例に関して,臨床的,病理的因子等について検討を行った.
【方法】当院にて2011年11月より2016年7月までに,術前には良性疾患と診断され,胆のう摘出術を施行された416名を対象とし,診療録,病理報告書等より後ろ向きに分析を行った.術前診断は胆のう結石症293名,胆のう炎104名,胆のうポリープ7名,総胆管結石5名,その他7名であった.術式は,腹腔鏡下胆のう摘出術が343名,開腹胆のう摘出術その他が73名であった.男女別では,女性206名,男性210名,平均年齢は62.8±14.9才であった.
【成績】術後に病理診断で胆のう癌と診断された症例は,416名中7名(1.6%)で女性3名男性4名であった.平均年齢は75.3±11.6才で胆のう癌以外の症例と比べて有意に高齢であった.病理では高分化腺癌が4名,中分化腺癌が3名,深達度はmp2名,ss5名であった.術前診断はいずれも胆石症であった.術後に追加手術が行われたものは2名であった.残りの5名は,高齢や合併症などを考慮しinformed consentの上で経過観察とした.これらの症例の観察期間の中央値は2.4年で,1名が術後9か月で胆のう癌の遠隔転移にて死亡した.2016年10月時点で残りの6名は生存していた.
【考察】胆摘後に見つかる偶発的胆のう癌の頻度は,1%前後とする報告が多く,我々の結果でも1.6%でほぼ同様の結果であった.予後に関しては比較的良好とする報告が多い.一般的な胆のう癌の3年生存率は50%弱であり,それに比べ当院の症例でも少数名ではあるが,7名中6名(86%)が生存しており,比較的予後が良いと考えられる.なおss以深では,追加切除が必要とする意見が多いが,必ずしも手術が予後を改善しないという報告もある.当院でもss癌で合併症のため,追加切除を行わず経過観察とした1名が死亡した.ただ多発肺転移での再発であり,追加手術を行っても予後を改善できたか否かは疑問が残る.
【結語】胆のう摘出術後の偶発的胆のう癌について,若干の文献的考察を加えて報告を行った.
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