演題

PO3-7

急性胆嚢炎に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術時期に関する検討

[演者] 小高 雅人:1
[著者] 生本 太郎:1
1:医療法人薫風会佐野病院

Tokyo Guidelines 2013によると,急性胆嚢炎の第一選択の治療は早期または緊急胆嚢摘出術で,できるだけ腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましいとされている.当院では胆嚢良性疾患に対する標準術式として全例に単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下TANKO-LC)を行っており,急性胆嚢炎もその対象としている.急性胆嚢炎症例は炎症のない症例と比較して手術難易度が高くなる傾向にあるが,手術時期によっても難易度に差があるとされ,早期手術が推奨されている.【目的】急性胆嚢炎に対するTANKO-LCの手術成績が手術時期によって影響されるかどうか,当院の過去症例を用いて検討した.【方法】2010年1月から2016年11月までに当院で急性胆嚢炎に対しTANKO-LCを行った全症例を対象とした.手術時期別にA群(発症後3日以内),B群(発症後4日から41日),C群(発症後42日以降)に分類し,手術時間,出血量,トロッカー追加,開腹移行,術後合併症,術後在院日数につき比較した.【結果】期間中の対象症例は107例で,A群17例,B群86例,C群4例であった.急性胆嚢炎重症度はGrade I:91例およびGrade II:16例で,Grade IIIは含まれなかった.それぞれの群の患者背景には顕著な差を認めなかった.平均手術時間はA群103.7分,B群86.7分,C群104.5分,平均出血量はA群98.8ml,B群80.6ml,C群112.5mlで,いずれも群間差はなかった.トロッカー追加はA群2例(11.8%),B群9例(10.5%),C群0例(0%)で群間差はなかったが,開腹移行はA群0例(0%),B群12例(14.0%),C群1例(25%)で,統計学的有意差はないもののA群に少ない傾向にあった.術後合併症はA群1例(5.9%),B群5例(5.8%),C群0例(0%)で群間差はなかった.術後在院日数はA群4.8日,B群5.9日,C群3.5日であった.【結論】手術時期による明らかな成績の差はなかった.術後合併症にも差はなく,手術時期にかかわらず安全に施行可能と考えられた.
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