演題

PO2-5

腹腔鏡下胆嚢摘出術における長時間手術の術前予測因子

[演者] 辰林 太一:1
[著者] 谷島 裕之:1, 白井 康嗣:1, 岩倉 伸次:1, 前田 恒宏:1, 冨永 敏治:1, 中瀬 隆之:1, 木村 正道:1, 碇 絢菜:1, 堀内 哲也:1
1:大阪南医療センター 外科

【背景】胆嚢良性疾患に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy:LC)は標準術式であるが,難易度の高い症例では長時間手術となり,術後合併症や術後在院日数の増加につながる可能性がある.【目的】長時間手術となるLCを予測する術前因子を決定すること.【対象と方法】2011年10月から2015年12月の間に,当科で術前精査としてルーチンで行っているDIC-CTを施行したLC症例253例を対象とした.他臓器との同時手術症例は除いた.長時間手術は,全症例の手術時間の75パーセンタイル以上と定義した.長時間手術の術前予測因子の抽出にはロジスティック回帰分析を用いた.【結果】男性109人,女性144人,年齢の中央値は63歳.手術時間の中央値は90分,75パーセンタイル値は120分であり,120分以上を長時間手術と定義した.長時間手術群は64例,非長時間手術群は189例.年齢,性別,BMI,上腹部手術既往,急性胆嚢炎の重症度,総胆管結石に対する術前内視鏡治療,術前胆嚢ドレナージ,DIC-CTでの胆嚢の造影所見,緊急手術,術式(単孔式or多孔式),術者(スタッフor後期研修医)で,長時間手術を予測する因子を解析したところ,術者が後期研修医(オッズ比2.67,95%信頼区間:1.29-5.55),総胆管結石に対する術前内視鏡治療あり(オッズ比3.25,95%信頼区間:1.34-7.91),DIC-CTでの胆嚢の造影所見無し(オッズ比6.67,95%信頼区間:3.26-13.6)が独立した予測因子であり,DIC-CTでの胆嚢の造影所見無しが最も強い予測因子であった.長時間手術群では有意に開腹移行率,出血量,術後在院日数が増加したが,術中・術後合併症は両群で変わらなかった.【結語】LCにおいて長時間手術が予測される症例を予測し術式を検討することは重要であり,特に,DIC-CTで胆嚢まで造影される症例には単孔式LCなどのより低侵襲な術式が適応となる可能性が示唆された.
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