演題

PO1-1

腹腔鏡下胆嚢摘出術の術前難易度の簡易的評価と実用性

[演者] 平井 隆仁:1
[著者] 村上 雅彦:1, 青木 武士:1, 古泉 朋丈:1, 松田 和広:1, 藤森 聰:1, 箱崎 智樹:1, 大塚 耕司:1, 渡辺 誠:1, 山田 宏輔:1
1:昭和大学医学部 外科学講座 消化器・一般外科学部門

【はじめに】腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)は現在胆嚢良性疾患に対する標準術式となった.一方,炎症の程度・解剖学的構造異常等の理由により,手術難度は様々であるにも関わらず,術前の手術難度を規定する因子はまだ明確にされていない.教室では2013年より,術前に東京ガイドライン2013を用いて,1)胆嚢炎の程度,2)解剖学的構造異常,3)胆嚢管描出の有無を組み合わせた術前レベル評価:E(Easy) , C(Caution), D(Difficult)を行い,手術難易度予測に活用してきたので報告する.【対象と方法】2013年1月から2016年6月までに待機的に施行された胆嚢摘出術のうち,除外項目に該当する症例を除いた272例を対象とした.術前難易度と術中所見を比較し,術前難易度の妥当性を評価した.また,二次的なアウトカムとして手術時間,出血量,在院日数,合併症について検討した.【結果】術前難易度レベル評価ではE:57%,C:37%,D:6%であった.手術所見との一致率は,E:77%, C:61%, D:76%であり,相関性が認められた(spearman's collection ρ=0.54).平均出血量はレベルE,C,Dでそれぞれ16ml±30ml,38±58ml,63±50mlで,有意差を認めた(99%CI P<0.0001).平均手術時間はそれぞれ106分±44分, 131±43分, 173±54分で,有意差を認めた(99%CI P<0.0001).合併症は落下結石をレベルEに1例に認めたのみであった.術前にレベルEと判断され,実際にレベルDであった症例は14例認め,その原因としては術前分類に規定されていない胆管炎,膵炎,開腹の既往の関与が示唆された.【考察・結語】教室で考案した難易度分類は,術中所見による難易度と相関し,比較的簡便に手術難易度を予測することが可能で実用性のあるものと思われた.特に,高難度症例を術前に把握することは,LCの安全性,確実性を担保する上で重要と思われた.
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