演題

PN3-1

当院における高齢者胆道癌症例の個別化切除療法

[演者] 落合 登志哉:1,2
[著者] 井上 博之:1,2, 中辻 拡興:1, 吉山 敦:1, 渡邉 信之:1,2, 伊藤 博士:1,2, 當麻 敦史:1,2, 中村 憲司:1, 大辻 英吾:2
1:京都府立医科大学附属北部医療センター 外科, 2:京都府立医科大学医学部 消化器外科学

【背景・目的】
高齢者の胆道癌を標準手術の適応とするにはその多くが侵襲の多い術式となり得るため,1)周術期において在院死亡につながる重篤な合併症がないこと,2)少なくとも年単位の予後が見込めること,3)術後ADLが低下しないことが特に求められ,そのための配慮が必要であると考えられる.本研究では高齢者(78歳以上)の胆道癌切除症例の適切な外科治療について明らかにする.
【対象,方法】
対象は2016年7月までに手術した78歳以上の胆道癌症例30例.疾患は胆管癌15例,胆嚢癌8例,乳頭部癌4例,肝内胆管癌3例で進行/早期=25/5例.術式は膵頭十二指腸切除(PD)7例,胆嚢胆管切除(肝切除含む)11例,(拡大)胆嚢摘出4例,肝切除3例,姑息手術5例.疾患・術式別の在院日数・予後を検討し,また合併症,予後,ADLに関連する因子について解析を行った.
【結果】
全体の術後平均在院日数は36.4日.それぞれPD56.4日,胆嚢胆管切除(肝切除含む)29.4日.胆嚢摘出10.8日,肝切除18日,姑息手術55.4日.長期入院はPD後の膵液瘻183日,腹腔内膿瘍139日.
術後2年生存は胆管/胆嚢/乳頭部=61.1/58.3/75.0%,術式ではPD/胆嚢胆管/胆嚢/肝切除/姑息=62.5/64.9/100./66.7/0%.死亡例13例中2例(15.4%)が他病死.全体の合併症率は40.0%.術後ADLが低下例30%,6ヶ月後アルブミン値減少例28.6%.
生存の有意な危険因子は6ヶ月後アルブミン値,ADLであり,疾患や進行度ではなかった.
合併症との有意な関連因子は6ヶ月後アルブミン値と在院日数で術式,縮小手技,手術時間や出血量は無関係であった.
術後ADLとの有意な関連因子はなく,縮小手技のみがその傾向(p=0.058)を認めた.
【まとめ】
高齢者胆道癌の手術においてはADL低下や栄養不良を回避する必要があり,適切な外科治療には縮小手技やアルブミンの強化が必要であることが示唆された.
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