演題

PN2-6

胆道癌において術前栄養指標としての小野寺のprognostic nutritional indexは根治切除後の予後を予測する

[演者] 安藤 拓也:1
[著者] 坂田 純:1, 油座 築:1, 相馬 大輝:1, 石川 博補:1, 大橋 拓:1, 滝沢 一泰:1, 高野 可赴:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【目的】胆道癌では癌遺残のない外科的切除が唯一の根治的治療法である.近年,高齢者や併存症を有する症例の外科切除例が増加するに伴い,術前栄養状態の重要性が再評価されている.本研究の目的は,胆道癌根治切除症例において術前栄養状態が術後成績に及ぼす影響について明らかにすることである.
【対象と方法】2010年から2015年の間に当科で外科的切除が施行された胆道癌126例(肝内胆管癌:17例,肝外胆管癌:51例,胆嚢癌:34例,十二指腸乳頭部癌:24例)を対象としてretrospectiveに検討した.術前栄養状態の指標として小野寺のprognostic nutritional index(PNI)=(10×ALB[g/dl])+(0.005×TLC[mm3])を用い,High PNI群(PNI≧35)とLow PNI群(PNI<35)とに対象症例を層別化した.小野寺のPNIを含む10種類の臨床病理学的因子と疾患特異的生存との関連を統計学的に検討した.術後経過観察期間の中央値は40か月であった.
【結果】患者背景:年齢中央値は69歳(範囲31-90歳)であり,全126例中98例(78%)で術前併存症が認められた.PNIの中央値は44.4(範囲,24.2-61.1)であった.臨床病理学的特徴:High PNI群とLow PNI群と間で関連する臨床病理学的因子は認められなかった.術後成績:Clavien-Dindo分類IIIb以上の術後合併症が11例(8.7%)で認められたが,これらの術後合併症とPNIとの間で関連を認めなかった(P=0.598).術後在院死亡例は認められなかった.全症例の手術成績は,5年生存率66%,生存期間中央値は29か月であった.単変量解析(Kaplan-Meier法,log rank検定)ではリンパ節転移の有無,組織分化度,組織型,PNIが有意な予後因子であった(各々P=0.001,P=0.002,P=0.003,P=0.017).これらの因子を用いた多変量解析(Cox比例ハザードモデル)ではリンパ節転移の有無,組織分化度とともにPNIは有意な独立予後因子であった(各々P=0.002,P=0.030,P=0.019).
【結論】術前栄養状態の指標であるPNIは,胆道癌根治切除後の有用な予後予測因子の1つである.
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