演題

PN2-4

胆道悪性腫瘍におけるMapping Biopsyの意義

[演者] 姚 思遠:1
[著者] 田浦 康二朗:1, 奥田 雄紀浩:1, 児玉 裕三:2,3, 南口 早智子:3, 瀬尾 智:1, 安近 健太郎:1, 岡島 英明:1, 海道 利実:1, 上本 伸二:1
1:京都大学大学院 肝胆膵・移植外科学, 2:京都大学附属病院 消化器内科, 3:京都大学附属病院 病理診断部

背景:胆道癌の外科切除の際には,切除断端を癌陰性にすべく適切な術式を選択することが重要である.Mapping biopsy(MB)は胆道悪性腫瘍の上皮内進展を評価するのに有用な方法であることは報告されている.当院では2010年より本検査を実施しているが,手術の計画や結果に対してどのような意義を持つのかは明らかでない.
方法: 2007年から2016年の間に当科が関与した肝外胆管(上部~下部を含む)への進展/浸潤を有する胆道癌232例(胆管癌170例,胆嚢癌11例,肝内胆管癌51例)を対象とした.(1)手術適応と術式決定におけるMBの役割を検討した.次に,切除術が施行された152例をMB施行群70例とMB非施行群82例に分け,(2)術前・術後因子および長期予後を比較した.その他,(3)各種術前画像検査(ERCP, EUS, IDUS, POCS, 3DCT cholangiography,およびMB)の胆管断端陰性に及ぼす影響を調べた.(2)の比較にはMann-Whitney検定とχ2検定を用い,(3)にはオッズ比と95%信頼区間を用いた.P値<.05を有意と定義した.
結果:(1)MBの結果によって切除不能と判断された症例は8例,右葉切除が予定されている症例でB2/3とBiの両方から悪性細胞が出て中止となる例が7例と最も多かった.術式変更となったのは10例,Biからも悪性細胞が出て膵頭十二指腸切除(PD)が付加された症例が5例と最も多かった.MBの偽陽性は1例のみであった.(2)MB群で肝切除+PD症例が多かったが,その他患者背景に差はなかった.胆管断端のfirst cutにおける陽性率はMB群で有意に低かった(P=.04)が,根治切除率に差はなかった.また,MB群で有意に胆汁漏が少なかった(P=.005).長期予後として,2群間で生存率に差はなかった.(3)IDUSとMBが単変量解析で有意にfirst cut陰性に寄与していたが,多変量解析では独立した因子は検出できなかった.
結論:適切な術式決定に寄与していることから,MBは手術計画において有意義な検査と言える.また,first cut胆管断端陰性率の向上に寄与する可能性があると思われた.
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