演題

PN2-3

胆道ドレナージが門脈塞栓後代償性肝肥大に与える影響

[演者] 深瀬 耕二:1
[著者] 伊関 雅裕:1, 高舘 達之:1, 益田 邦洋:1, 中川 圭:1, 森川 孝則:1, 林 洋毅:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【はじめに】肝門部領域胆管癌の術前マネージメントにおいて,門脈塞栓後の残肝肥大率やビリルビン産生能の観点から,残肝への片側肝葉ドレナージが推奨されている.ドレナージ施行後の紹介や術式選択に迷う症例,胆管炎治療目的などで両側肝葉ドレナージを要する症例は少なくない.
【対象と方法】2009年以降に肝切除を企図し門脈塞栓術(PVE)を施行した140例のうち,胆道ドレナージ後に門脈右枝を塞栓した73例を対象とした.巨大腫瘍,門脈浸潤による狭窄,慢性肝疾患併存例はPVEの効果が少ないものと考え除外した.全肝胆道ドレナージ(TBD)群,右葉に胆管拡張が残存する選択的胆管ドレナージ(SBD)群に分けPVE前後の全肝,左葉容積を測定し,代償性肝肥大を比較検討した.
【結果】TBD群53例:SBD群20例.年齢,性別,T.Bil値,ICG,PVEから肝容積測定までの期間では両群に有意な差を認めなかった.全例経皮経肝に右門脈をゼラチンスポンジ±コイルで塞栓した.PVE前の全肝容積,左葉容積,左葉容積比率の中央値はそれぞれ1287ml:1266ml,487ml:471ml,37.7%:37.9%,PVE後の全肝容積,左葉容積,左葉容積比率の中央値はそれぞれ1257ml:1240ml,578ml:602ml,48.0%:48.7%であった.左葉容積比率は+9.9%:+8.4%増加し,左葉容積増大率は+20.5%:+27.4%であり,両群間で有意な差を認めなかった.
【考察】右側PVEにおいて塞栓葉への胆道ドレナージはPVE後の残肝肥大に影響を及ぼさなかった.近年,3区域切除や血管合併切除の導入により,選択可能な術式が増えている.MDCTのみでの術式立案,片側肝葉ドレナージでは,減黄後の肝予備能次第で術式再考を余儀なくされることもあり,初回より両葉の進展度範囲診断とドレナージを考慮してもよいと考えられた.
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