演題

PN1-7

化学療法が奏功した切除不能胆道癌に対するConversion surgeryの治療成績

[演者] 松本 正孝:1
[著者] 中居 卓也:1, 川口 晃平:1, 村瀬 貴昭:1, 亀井 敬子:1, 里井 俊平:1, 松本 逸平:1, 竹山 宜典:1
1:近畿大学医学部 肝胆膵

【背景】胆道癌は増加傾向であり,唯一の根治的治療は外科的切除である.しかし,初期の段階では自覚症状にも乏しいため早期診断・発見が難しく,進行して発見されることも多く,根治切除が可能な症例は少ない.しかし化学療法の進歩により,切除不能であったが化学療法を導入することで切除可能となる報告が散見される.
【方法】2008年から2016年までで当院で局所浸潤または遠隔転移を認めたため,切除不能と判断され,化学療法導入後にConversion surgeryが可能となった5例(肝内胆管癌2例,胆嚢癌2例,肝門部胆管癌1例)を対象とした.
【結果】年齢は中央値で69歳(61-71歳)で,男女比は3:2であった.切除不能となった理由は局所浸潤が3例,多発リンパ節転移が1例,鎖骨下リンパ節転移が1例であった.化学療法は4例がゲムシタビン+シスプラチン,1例がゲムシタビン+シスプラチン+TS-1(臨床試験)であった.術式はそれぞれ亜区域切除術,拡大胆嚢摘出術,中央2区域切除術,左葉切除術,拡大左葉切除術であった.手術時間は中央値で335分(225-742分),出血量は中央値で895ml(816-1302ml),輸血は3例で施行した.全例R0であった.在院日数は中央値で14日(10-75日)であった.現時点で全例無再発生存中である.
【結論】今回我々は切除不能であったが,化学療法が奏功したことでConversion surgeryへと移行できた5例を経験した.胆道癌に対する化学療法の感受性は低いと考えられており,エビデンスのある術前化学療法は未だ報告されていないが,切除不能胆道癌においてはゲムシタビン,シスプラチンの併用療法により,生存期間の延長が報告されている.またそれらを応用した術前downsizing chemotherapyも注目されている.今後さらにレジメンの開発により根治切除が可能となる症例もさらに増えると考えられ,有用な術前化学療法が期待されよう.
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