演題

PN1-5

T2胆嚢癌における腫瘍局在が術後成績に与える影響

[演者] 峠 弘治:1
[著者] 坂田 純:1, 大橋 拓:1, 安藤 拓也:1, 油座 築:1, 石川 博補:1, 滝沢 一泰:1, 高野 可赴:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【目的】近年,T2胆嚢癌において腫瘍局在(肝側vs腹腔側)は予後因子として報告され,最新のAJCC第8版ではT2の亜分類として採用されている.しかしながら,T2胆嚢癌における腫瘍局在の臨床的意義に関しては十分に検討されていない現状にある.本研究ではT2胆嚢癌おいて腫瘍局在が術後遠隔成績に与える影響を明らかにする.
【方法】当科で根治切除が実施されたT2胆嚢癌78症例を対象とした.T2胆嚢癌の基本術式は胆嚢摘出+胆嚢床切除+肝外胆管切除+領域リンパ節郭清とした.実際には肝切除が68例,肝外胆管切除が52例で実施されていた.原則,全割標本から組織学的深達度を病理学的に診断した.腫瘍局在に関して,胆嚢底部と体部において少なくともSS浸潤部の一部が胆嚢の肝付着部に認められるものまたは胆嚢頸部・胆嚢管にSS浸潤部が認められるものを"肝側",胆嚢底部と体部において遊離腹腔側にのみSS浸潤部が認められるものを"腹腔側"と定義した.術後経過観察期間の中央値は120か月であった.
【結果】全78例の術後成績は5年生存率(5生率)79%であり,45例が術後5年以上生存した.腫瘍局在は,肝側が46例,腹腔側が32例であり,肝側症例(5生率72%)は腹腔側症例(5生率89%)よりも術後成績が不良な傾向にあった(P=0.062).臨床病理学的因子の比較:肝側症例では腹腔側症例と比較して,70歳以下(P=0.034),肝切除実施(P=0.012),肝外胆管切除実施(P=0.014),術後補助化学療法実施(P<0.001),リンパ管侵襲陽性(P=0.006)の症例が占める割合が高かった.リンパ節転移の頻度は肝側症例47%(22/46)に対し腹腔側症例25%(8/32)であった(P=0.058).予後因子解析:単変量解析ではpM(P<0.001),pN(P=0.019)が有意な予後因子であるとともに,神経浸潤(P=0.056),結石(P=0.057),腫瘍局在(P=0.062)が予後と関連する傾向にあった.これらの因子(単変量でP<0.100)を用いて多変量解析を行うと,腫瘍局在(P=0.043)はpM(P<0.001),神経浸潤(P=0.019),結石(P=0.028)とともに有意な独立予後因子であった.【結論】腫瘍局在は,T2胆嚢癌根治切除後の独立した予後規定因子である.
詳細検索