演題

PN1-4

T2胆嚢癌における早期再発症例からみた至適術式の検討

[演者] 安田 淳吾:1
[著者] 春木 孝一郎:2, 藤原 佑樹:1, 柴 浩明:2, 薄葉 輝之:3, 三澤 健之:4, 中林 幸夫:5, 岡本 友好:1, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科, 3:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科, 4:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 5:川口市立医療センター 外科

[背景]
T2胆嚢癌は高率に脈管侵襲,神経周囲侵襲,リンパ節転移を認め,肝切除範囲や胆管切除の適応を含め標準的な術式はいまだ確立されていない.今回我々は,pT2と診断された胆嚢癌の早期再発例の再発形式の分析から至適術式を検討した.
[対象・方法]
対象は附属病院,附属柏病院,附属第三病院,葛飾医療センター,川口市立医療センターで2013年から2015年に経験した切除胆嚢癌33例(pT1a:3, pT1b:3, pT2:17, pT3a:4, pT3b:1, pT4b:2例)のうち,病理組織学的検査でpT2と診断されたのは17例.うちR2症例1例を除くR0症例16例を対象とした(年齢61-89[平均75.8]歳,男:女=6:10).肝切除の種類(肝床切除:12例,肝S4a+5切除:4例)と肝外胆道切除の有無別(有6/無10例)に,再発形式を検討した.
[結果] 1年以内の再発症例は3例で,全例で再発形式はリンパ節転移であった.肝切除の種類に関して再発は,肝床切除2例(17%),肝S4a+5切除1例(25%)であり,肝切除範囲では再発率に有意差を認めなかった(P=0.29).またRFSも有意差を認めなかった(P=0.43).再発形式においては両者で肝臓内に転移を認めなかった.肝外胆道切除の有無では,切除2例(33%),非切除1例(10%)と再発率に有意差を認めなかった(P=0.32).またRFSにも有意差を認めなかった(P=0.45).次にリンパ節転移症例で検討すると,陽性の5例中4例で肝外胆道切除を行ったが,うち2例(50%)に再発を認めた.一方,リンパ節転移陰性の11症例中2例で肝外胆道切除を行ったが,全例でリンパ節再発を認めなかった.
[結語]
pT2胆嚢癌に対して肝切除範囲の拡大による再発予防の意義は低いと考えられた.また,リンパ節転移陽性例では積極的なリンパ節郭清により再発率を低下できる可能性がある.
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