演題

PN1-3

胆管癌術後長期生存例の検討

[演者] 益子 太郎:1
[著者] 矢澤 直樹:1, 古川 大輔:1, 藤城 健:1, 山田 美鈴:1, 増岡 義人:1, 中郡 聡夫:1, 貞廣 壮太郎:1, 小澤 壯治:1
1:東海大学付属病院 消化器外科

【背景】胆管癌の治療成績は集学的治療により近年向上してきているが,治癒切除しても早期に再発,転移する症例も多く,5年生存率は依然として満足のいくものではなく予後不良である.
【目的】5年以上の長期生存例の特徴から胆管癌の集学的治療法について検討する.
【対象と方法】2000年1月から2015年12月までに当科で切除された胆管癌105例(治療関連死,他病死例を除く)を対象に治療成績,予後因子を示すとともに5年以上の長期生存群と非5年生存群の2群に分けて患者背景因子,臨床病理学的特徴,治療法について検討した.
【結果】全症例の平均年齢は69.4歳で,男女比は88:18であった.部位は遠位胆管癌74例,肝門部胆管癌32例でR0切除は67例に施行されていた.術後補助化学療法は51例に施行されていた.全症例のMSTは53.0m(23.2-82.8)で1,3,5年生存率はそれぞれ91.3%,78.3%,60.8%であった.多変量解析では術前Alb値(<3.5),部位(肝門部),R(1),N(1),V(2,3),ne(2,3)が独立した予後不良因子であった.術後補助化学療法の有無は全症例の予後規定因子ではなかったが,再発リスクの高いstageII以上の症例でみると術後補助化学療法施行群はMST:53.0m(19.7-86.3),手術単独群はMST:24.0m(19.7-28.3)で手術単独群に比べて有意に予後が良好であった(P=0.011).また,5年以上の長期生存例は28例であった.長期生存群と非5年生存群の2群で臨床病理学的因子を比較すると,部位(P=0.001),肉眼型(P=0.007),R因子(P=0.001)で有意差を認め,長期生存例は遠位胆管癌で肉眼型が乳頭型,R0切除が施行されている症例であった.リンパ節転移は非5年生存群に多い傾向にあった(P=0.088).さらに,治療法について検討すると再発巣の切除により5年生存を達成している症例(肝切除3例,腹壁・肺切除1例)が存在した.現在,胆管癌の再発巣切除は確立された治療法ではないが,初回手術時にリンパ節転移がない,R0切除が施行されている,再発までに長期間を要している症例など限定されるが,限局した再発巣切除により長期生存を得る可能性が示唆された.また,リンパ節転移例で2例,R1切除例で2例長期生存例が存在し,レジメンが異なるがいずれも術後補助化学療法が1年以上施行されていた.
【結語】胆管癌の再発巣の切除や術後補助化学療法の意義は現在確立されていないが,長期生存に寄与する可能性があり,症例の蓄積と臨床試験の結果が待たれる.
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