演題

PN1-2

当科における遠位胆管癌の予後規定因子の検討と術後補助化学療法の意義

[演者] 浜田 剛臣:1
[著者] 旭吉 雅秀:1, 石井 光寿:1, 土持 有貴:1, 今村 直哉:1, 藤井 義郎:1, 七島 篤志:1
1:宮崎大学医学部 肝胆膵外科学

【はじめに】遠位胆管癌に対する外科的切除の成績が向上してきたものの,再発予防ならびに非切除治療について有効な手段は明確ではない.しかしながら,近年,治療成績向上を求めて,進行癌症例では補助化学療法を施行しつつあり,予後因子との関連を検討しつつ意義と問題点を検証した.
【方法】2002年1月から2014年12月までに外科的に切除した遠位胆管癌症例66例を対象とした.患者因子,術前血液検査,手術因子,病理組織学的因子と予後を調査し,2004年よりStageIB以上(取扱い規約第6版)に導入したgemcitabineをベースとした術後補助化学療法(6クール)の適応と予後について検討を行った.
【結果】平均年齢は70±8歳で,肝外胆管切除1例を除き,65例でPDを施行した (PD:9例,PpPD:55例,PrPD:1例).全体の5年生存率は45.0%で,進行度はpStage IA (4例), IB (9例), IIA (20例), IIB (26例),IV(5例),それぞれの生存率は各々100%, 42%, 47%, 44%, 0%であった.術後化学療法(GEM群:17例,GS群:15例)は32例 (48%)に施行した.全生存における予後規定因子での単変量解析では,CA19-9値48U/ml以上,血小板リンパ球比99.6以上,リンパ節転移3個以上,16番b1リンパ節陽性率,リンパ管侵襲,剥離面陽性,根治度 (R0,1切除の有無)が予後規定因子であった(p<0.05).さらに,多変量解析ではリンパ節転移3個以上 (HR:4.03, p=0.012),剥離面陽性 (HR:7.75, p=0.016)が独立した予後因子であった.しかしながら,術後補助化学療法の有無は予後には関与せず,リンパ節転移陽性や剥離面陽性群においても,術後補助化学療法は5年生存率,無病生存率に差は認めなかった.(各々42% vs 30%, 30% vs 27%)
【結語】遠位胆管癌における予後規定因子が明らかになったものの,後ろ向き解析では術後補助化学療法のこれらの症例に対する有効性や適応判断は行えず,今後当科においては投与適応の見直しを行いながら,全国的な再発時の治療や,新たなレジメンの確立が望まれる.
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