演題

PM3-5

抗血小板薬・抗凝固薬内服中急性胆嚢炎症例の治療

[演者] 豊見山 健:1
[著者] 仲里 秀次:1, 宮城 淳:1, 友利 健彦:1, 永吉 盛司:1, 大嶺 靖:1, 知花 朝美:1
1:沖縄赤十字病院 外科

【はじめに】2013年の急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン(以下TG13)において,急性胆嚢炎の治療として重症度を考慮し早期あるいは緊急胆嚢摘出術や胆嚢ドレナージが推奨されている.しかし,脳血管疾患や心血管疾患に対し抗血栓薬を投与されている症例に対する手術やドレナージは出血性合併症のリスクが懸念されるものの対応に関しての記載はない.
【目的】当院での抗血栓療法中の患者の急性胆嚢炎に対する治療成績について検討
【対象と方法】2010年7月から2016年11月までに当院で経験した急性胆嚢炎症例154例,そのうち抗血栓療法治療中であった17例を後方視的に解析し検討した.
【結果】抗血栓療法治療症例は17例(11%)で,男性13例,女性4例で51―95(平均75歳)であった.
既往症は脳血管疾患9例(心房細動合併3例),虚血性心疾患7例,心房細動1例であった.
内服薬剤は抗血小板薬13例(2剤5例),抗凝固薬4例であった.
TG13による重症度分類では重症2例,中等症3例,軽症12例であった.
保存的治療後手術となったのが6例,緊急手術が5例,緊急ドレナージが4例,保存的治療のみが2例であった.抗血栓薬はそのまま継続が10例,中止休薬が3例,ヘパリン置換1例,ビタミンKやFFPによるリバースが3例であった.
合併症は心不全2例,総胆管結石合併1例を認めたが,いずれも治療にて軽快した.
重症の2例はいずれもビタミンK投与後にPTGBDを行っていた.保存的治療後手術の症例は4-52日(中央値11日)後に手術が行われていた.緊急手術症例は軽症4例,中等症1例であった.いずれの症例でも出血性合併症は認めず比較的安全に治療は行われていた.
入院期間は4-49日(平均17日)で抗血栓療法中でない症例(13.7日)に比較し長期となっていた.
【結語】当院では循環器内科,脳外科,麻酔科等と検討の上,休薬可能の場合は抗血栓薬を休薬するが,基本的には内服継続下に治療を行っている.保存的治療可能な場合は保存的治療後に手術を行い,ワーファリン内服や重症症例で凝固延長を認める場合にはPT-INR1.5を目安にビタミンK等を投与し,ドレナージなどを行う方針である.当院の対応では重篤な合併症は認めず比較的安全に治療が行われていた.入院期間の長期化が問題点と思われた.
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