演題

PM3-3

85歳以上の超高齢者急性胆道炎の臨床的検討

[演者] 吉川 徹二:1
[著者] 今西 努:1
1:蘇生会総合病院 外科・肛門科

【背景】TG13により急性胆管炎・胆嚢炎の診断基準や重症度分類,初期診療などが標準化されてきた.しかし,超高齢者では意思疎通が困難なため発見が遅れ診断に苦慮することも多く,またADL低下や併存疾患などのため標準的治療が時として困難である.今回我々は,当院で入院となった85歳以上の超高齢者の急性胆道炎の患者から,初発症状や治療法,予後などを85歳未満の患者と比較検討した.【対象】2011年4月から2016年6月までの当院で入院となった85歳以上の急性胆道炎の患者のべ43例および,TG13発行以降に当院で入院となった85歳未満の急性胆道炎患者のべ35例.【結果】疾患の内訳は85歳未満では急性胆管炎9例(男性:女性=5:4),急性胆嚢炎26例(男性:女性=16:10),85歳以上では急性胆管炎29例(男性:女性=4:25),急性胆嚢炎14例(男性:女性=5:9)であった.ECOG-PSは85歳未満では1.8±1.4,85歳以上で3.3±0.8であった(P<0.001) .初発症状は85歳未満では腹痛を自覚して来院する例が多かったが(23例),85歳以上では熱発(26例)や肝機能異常(5例)などを認めて来院に及ぶ例が多く見られた.手術やESTなどの根本治療が行われず,抗菌薬のみで治療せざるを得なかったケースが85歳未満では15例,85歳以上では37例認められた(p=0.01).入院期間は85歳未満が17.6±13.4日に対して85歳以上では34.0±26.3日であった(p=0.001).死亡例は85歳以上の急性胆管炎の2例に認め,共に急性期を脱した後の死亡であった.【考察】今後超高齢社会をむかえようとしている我が国としてはADL低下や意思疎通困難,併存疾患などで急性胆道炎についても標準的な診療を行いがたい症例が増加することが予想される.個々の症例に対して,全身状態や併存疾患を考慮して最適な治療法を慎重に選択する必要があると考えた.
詳細検索