演題

PM3-2

80歳以上高齢者急性胆嚢炎に対する早期胆嚢摘出術の有効性

[演者] 田村 裕子:1
[著者] 野尻 和典:1, 小笠原 康夫:1, 木村 準:1, 渡邉 純:1, 盛田 知幸:1, 茂垣 雅俊:1, 舛井 秀宜:1, 長堀 薫:1
1:横須賀共済病院 外科

【背景】急性胆嚢炎はTokyo Guidelines 2013(TG13)に従って早期の胆嚢摘出術が推奨されているが,80歳以上の高齢者に対する周術期成績に対する報告は少ない.
【目的】高齢者胆嚢炎に対する治療成績を検討する.
【対象・方法】対象は,2013年1月から2016年10月までに当院で急性胆嚢炎の診断で胆嚢摘出術を施行された221例.これらを80歳以上の高齢者50例と79歳以下の非高齢者171例に分類し,背景因子,手術成績を比較した.
【結果】発症から手術までの時間は高齢者群:160±47(min)vs非高齢者群:166±58(min)であり両群で差をみとめず(p=0.5456),手術時期は発症時から7日間以内に胆嚢摘出術が施行された症例の内訳が高齢者群:46例(92.0%)vs非高齢者群:144例(84.2%)と両群に差は認められなかった(p=0.1629).腹腔鏡手術の割合は高齢者群:28例(56,0%)vs非高齢者群135例(78.9%)と高齢者群で有意に開腹手術が選択された(p=0.0012).米国麻酔科学会による術前状態分類では高齢者群Class2:42例/Class3:7例/Class4:1例vs非高齢者群Class1:26例/Class2:124例/Class3:21例と高齢者群では術前状態リスクの高い症例が高率に認められた(p=0.0081).TG13 に準じた急性胆嚢炎重症度分類では軽症:高齢者14例(28.0%)vs非高齢者80例(46.8%),中等症:高齢者29例(58.0%)vs非高齢者 81例(47.3%),重症:高齢者7例(14.0%)vs非高齢者10例(5.8%)と高齢者群では重症胆嚢炎が高率であった(p=0.0246).出血量(p=0.8165),手術時間(p=0.5457)に両群間で差をみとめなかった.術後合併症(Clavien-Dindo分類Grade3以上)は,高齢者群:7例14.0 %vs非高齢者群17例9.9%であり,有意差を認めなかった(p=0.4172).在院日数は高齢者群7日(3-60)に対し非高齢者6日(2-86)と差を認めなかった(p=0.0777).
【結語】80歳以上の高齢者は急性胆嚢炎の重症度が高いものの,周術期成績は非高齢者と同等であり,安全に施行可能と考えられた.
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