演題

PM2-6

急性胆嚢炎に対する内視鏡的胆嚢ドレナージの検討

[演者] 中澤 信博:1
[著者] 鈴木 秀樹:1, 伊島 正志:2, 田中 司玄文:1, 桑野 博行:3
1:伊勢崎市民病院 外科, 2:伊勢崎市民病院, 3:群馬大学大学院 病態総合外科学

【目的】急性胆嚢炎に対する治療原則は胆嚢摘出術であるが,高齢あるいは全身状態不良のため手術困難な症例もしばしば経験する.そのような症例に対しては胆嚢ドレナージが推奨されており,確実性と簡便性から経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)が選択されることが多い.しかし抗血栓療法や,出血,胆嚢腫瘍合併,気胸,胆汁漏,膿瘍形成,また自己抜去のリスク等より,内視鏡的胆嚢ドレナージ(EGBD)も効果的かつPTGBDに代替される胆嚢ドレナージ法として考慮される治療法である.そこで今回,当院で急性胆嚢炎に対しEGBDを施行した症例を検討したので,ここに報告する.【対象・方法】2012年10月から2014年9月までの2年間で,急性胆嚢炎で入院となった症例は156例であった.この中でEGBD施行し,手術を施行しなかった症例は38例であった.この38例について,年齢,性別,BMI,米国麻酔学会術前状態分類(ASA),選択理由,手技成功率,偶発症,処置時間,体温,白血球数,入院日数,再発について検討した.【結果】平均年齢は77.2歳,男性25人/女性13人,平均BMI21.4であった.ASAの平均は3.29と高値であった.EGBD選択理由として,全身合併症17例,胆管癌/胆嚢癌7例,他臓器癌7例,ADL低下7例であった.手技成功は35/38例 (92.1%)であり,成功しなかった3例の原因としてチューブ処置困難2例,呼吸抑制1例であった.EGBD手技時間の平均は27.4分であった.処置当日の平均体温は37.8℃であり,翌日の平均体温は36.7℃と軽減を認めた.また処置当日の白血球数は10381.6μlであり,翌日の平均は9271.1μlと軽減を認めた.処置後の平均入院日数は19.8日であり,入院中の死亡例は4例あったが,胆嚢炎が死因の症例は1例であった.38例のうち胆嚢炎再燃となった症例は5例のみであり,再燃期間は11日,14日,30日,1年,2年であった.【結語】ドレナージ経路は経皮経肝的,また内視鏡的アプローチの2通りがあるが,内視鏡的アプローチの方が,皮膚への直接固定からの開放,自己抜去後の重篤な合併症の回避,再挿入が比較的容易,また出血傾向や腹水のある症例,癌の症例に対しては利点がある.また胆嚢炎再燃も13.2%と比較的低率であったことから,高リスクの症例ではEGBDのみを行うという治療も,選択肢の一つと考えられた.
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