演題

PM2-4

急性胆嚢炎の手術治療に対して重症度と胆嚢ドレナージが与える影響

[演者] 間下 直樹:1
[著者] 渡邉 卓哉:1, 呂 成九:1, 中村 正典:1, 斎藤 悠文:1, 野々垣 彰:1, 飛永 純一:1, 石榑 清:1
1:江南厚生病院 外科

【はじめに】当院では急性胆嚢炎の症例に対して,「急性胆嚢炎診療ガイドライン2013」に基づいて内科,外科で協議し治療方針を決定する.適応があれば緊急手術を行うが,諸事情から内科的治療を先行して待機手術となる症例も多い.
【目的】急性胆嚢炎手術症例を緊急手術と待機手術に分けて,重症度分類,胆嚢ドレナージ,手術までの待機期間が,周術期因子に与える影響を検討する.
【対象】2014年から2016年の3年間に胆嚢摘出術を行った急性胆嚢炎126例
【結果】緊急手術は38例 (30%) に行い,88例 (70%) は内科的治療後に待機手術を施行した.急性胆嚢炎重症度判定基準の分類では,軽症75例,中等症48例,重症3例であった.(1) 緊急手術症例:腹腔鏡で開始した32例中,5例 (16%) で開腹移行した.開腹手術は6例であった.Clavien-Dindo分類Grade 3以上の術後合併症は,術前の汎発性腹膜炎から続発した敗血症と,総胆管への落石による胆管炎の2例であった.重症度別では軽症26例,中等症12例で,中等症では軽症と比べて有意に出血量が増加した (p = 0.007).(2) 待機手術症例:腹腔鏡で開始したのは75例で,開腹移行は32例(43%)であった.開腹手術は13例であった.Grade3以上の術後合併症は,胆管損傷1例,腹腔内膿瘍1例であった.重症度は軽症49例,中等症36例,重症3例で,中等症は軽症に比べて開腹移行率が有意に高くなったが (p = 0.035) ,手術時間,出血量,術後合併症には差を認めなかった.胆嚢炎急性期の胆嚢ドレナージは46例で施行され,PTGBD 38例,ENGBD 8例であった .ドレナージ施行群では非施行群42例に比べて開腹移行の割合が高く,有意に手術時間の延長 (p = 0.015),出血量の増加 (p < 0.001)を認めた.特にENGBD施行例では胆嚢管周囲の炎症が強く,開腹移行例が半数以上を占めた.胆嚢炎発症から手術までの待機期間は中央値 31.5日( 3-472日),ドレナージ症例での手術までの待機期間は中央値 26日( 3-154日)で,それぞれ短期群と長期群に分けて比較したが,開腹移行率,手術時間,出血量,術後合併症に有意差を認めなかった.
【まとめ】緊急手術では待機手術と比較して腹腔鏡手術で完遂できる割合が高く,手術手技に関連した術後合併症が増加することはなかった.待機手術において,胆嚢炎重症度よりも術前胆嚢ドレナージ施行の有無が周術期因子により強い影響を与えた.
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