演題

PM2-3

経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)後の胆嚢摘出術についての検討

[演者] 加藤 綾:1
[著者] 佐伯 博行:1, 渡邊 勇人:1, 長澤 伸介:1, 中園 真聡:1, 沼田 幸司:1, 土田 知史:1, 松川 博史:1, 利野 靖:2, 益田 宗孝:2
1:横浜南共済病院 外科, 2:横浜市立大学医学部 外科治療学

【目的】急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)後に胆嚢摘出術を行った症例について,適切な手術時期,腹腔鏡手術を完遂できる因子について検討した.
【対象と方法】2013年1月から2016年11月までに,当科でPTGBD施行後に胆嚢摘出術を施行した95例を対象とした.このうちPTGBDチューブ留置のまま手術を行った26例,急性虫垂炎・帝王切開以外の腹部手術歴がある10例を除く59例を,腹腔鏡手術を完遂したL群20例と,開腹手術または開腹移行手術を行ったO群39例に分類し,背景,急性胆嚢炎時の血液検査所見,画像所見,PTGBDおよび手術の時期について比較検討した.
【結果】L群とO群では,性別,BMIに有意差は認めず,年齢はO群で有意に高かった(L群vsO群=64.5歳vs74.1歳 p=0.024).CRPはO群で有意に高かったが(16.2mg/dl vs23.5mg/dl p=0.005),白血球は有意差を認めなかった.アルブミンはO群で有意に低かった(3.2g/dl vs2.8g/dl p=0.003).CT所見における胆嚢壁肥厚,頚部への結石嵌頓の割合,また急性胆嚢炎の重症度は,両群間で有意差を認めなかった.急性胆嚢炎発症からPTGBD施行までの期間,チューブ留置期間は両群間で有意差を認めなかったが,抜去から手術まで43日以上待機した症例は,42日以内の症例と比較して腹腔鏡手術完遂率が高い傾向にあった(42日以内vs43日以上=20.7%vs46.7% p=0.054).多変量解析では,抜去から手術までの待機期間42日以内,CRP20mg/dl以上の症例が開腹手術となる有意なリスク因子であった.
さらにCRP20mg/dl以上の症例とCRP20mg/dl未満の症例に分けて同様の比較検討を行ったところ,CRP20mg/dl未満の症例では,抜去から手術までの待機期間による腹腔鏡手術完遂率の有意差は認めなかったが,CRP20mg/dl以上の症例では,待機期間42日以上の症例で腹腔鏡手術完遂率が有意に高かった.
また,チューブ抜去後に手術を行った69例中13例で,術前に急性胆道炎の再発を認めた.抜去から再発までの期間は1~304日(中央値15日)で,PTGBD留置期間が11日以上の症例では有意に再発が多かった(10日以内vs11日以上=10.0%vs33.3% p=0.027).
【考察】PTGBDチューブ抜去から手術までの待機期間42日以内の症例,CRP高値の症例は,開腹手術となるリスク因子だった.特にCRP高値の症例では,可能であれば43日以上の待機が望ましいと考えられるが,再発の可能性も考慮し,適切な待機期間を選択する必要がある.
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