演題

SY10-10

胃上部早期胃癌に対する逆流防止弁形成食道残胃吻合(観音開き法)再建の定型化

[演者] 西崎 正彦:1
[著者] 黒田 新士:1, 菊地 覚次:1, 野間 和広:1, 垣内 慶彦:1, 田邊 俊介:1, 香川 俊輔:1, 白川 靖博:1, 藤原 俊義:1
1:岡山大学大学院 消化器外科学

【目的】胃上部早期胃癌に対し腹腔鏡下噴門側胃切除術,逆流防止弁形成食道残胃吻合(観音開き法)再建を完全鏡視下で行っている.約10年前に鏡視下手術として開始したが,しばらくの間小切開からの吻合であった.肥満症例や食道胃接合部癌には対応が難しく,深部固定を鏡視下・吻合操作を小切開で行った後,現在の完全鏡視下手縫い吻合の定型化を行ったのでその方法と成績を報告する.【方法】2011年4月より2016年10月までの胃癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除症例を検討した.観音開き法の手順を示す.噴門側胃切除術の郭清はガイドラインに沿い行っている.腹腔内で食道切離後,臍部より残胃を体外に牽引,腫瘍の局在を確認し胃体部で切離する.残胃前壁に横H型2.5cm×3.5cmの両扉の漿膜筋層フラップを作成する.吻合孔を形成した後腹腔内に戻し,食道を牽引した状態で断端より5cmの後壁と残胃のフラップを形成した近位側漿膜筋層を固定,その遠位側で吻合を行う.吻合後壁は食道全層胃粘膜,前壁は層々吻合を行う.最後にフラップをY字型に縫着する.【成績】LAPG36例,LPG31例(関連病院18例の症例を含む)であった.術後合併症として膵液瘻,縫合不全を認めなかった.吻合部狭窄は4例(6%)であったが,術後1年までに逆流症状の訴えはなく,内視鏡検査でもロサンゼルス分類Grade A以上の逆流性食道炎を認めなかった.3年以降経過観察を行った症例でも逆流性食道炎を認めなかった.もう一つの問題である狭窄に関しても対応を行い,最近2年間の症例で狭窄を生じていない.また,食道胃接合部癌にも応用し良好な成績を得ている.【結論】観音開き法再建を小切開から完全鏡視下吻合へと定型化を行い,煩雑な手縫い吻合であるが噴門側胃切除後の食道残胃吻合で最も問題となる逆流性食道炎の発生を防いでいる.食道胃接合部癌に対しても縦隔・胸腔内で吻合方法を変えることなく施行可能であり,極めて有用な吻合法と考えられる.
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