演題

PM1-7

当院における急性胆嚢炎に対する治療方針別の比較

[演者] 高梨 秀一郎:1
[著者] 庄子 渉:1, 中村 靖:1, 高橋 剛:1, 荻野 健夫:1, 町田 健:1, 清水 喜徳:1, 堤 謙二:1, 河村 正敏:1, 志田 晴彦:1
1:埼玉石心会病院 外科

【目的】急性胆嚢炎(以下AC)に対する治療方針として,当院では保存的に急性期治療を行った後,数か月後を目安とし待機的に腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)を行うことが多かった.近年ではTG13で示された指針に従い,軽症および中等症のACに対し早期にLCを積極的に取り入れている.過渡期にあった時期の治療方針による臨床経過,手術治療についての比較を行う.
【方法】2010年から2015年の6年間に当院で初めてACに対する入院治療を受けた症例が対象.これらを初回入院(急性期)の治療方針により(I)早期LC,(II)保存治療(経皮経肝胆嚢ドレナージを含む),の2群に分類.さらに(II)を(IIa)急性期治療退院後待機手術,(IIb)急性期治療退院後経過観察の2群に小分類.各群の年齢,初回入院日数,急性期CRP最高値を比較する.また,手術の安全性評価項目として手術時間,出血量,術後問題点を比較する.今回手術の検討において手術開始より開腹とした症例は対象外とした.
【成績】対象症例は184例(男101:女83),年齢26-93歳(中央値67歳)であった.軽症55例,中等症126例,重症3例.治療方針による分類では(I)71例,年齢中央値65歳(26~86歳),(IIa)57例,同63歳(41~83歳),(IIb)56例,同74歳(38~93歳)で各群年齢に有意な差なし(p=0.19).
軽症症例において,各群の急性期入院日数中央値は(I)5日,(IIa)7日,(IIb)7日で有意差なし(p=0.132),最大CRP値中央値は(I)3.74,(IIa)4.5,(IIb)4.07で有意差なし(p=0.086).
中等症症例において,各群の急性期入院日数中央値は(I)6日,(IIa)9日,(IIb)11日で有意差あり(p=1.96x10-19 ),最大CRP値中央値(I)14.04,(IIa)20.09,(IIb)17.56で有意差なし(p=0.5).
手術に関して,軽症症例の手術時間中央値(I)110分(IIa)92分で有意差あり(p=0.038),出血量中央値はともに少量で有意差なし(p=0.097).中等症症例の手術時間(I)129分,(IIa)160分で有意差なし(p=0.67).出血量中央値はともに少量で有意差なし(p=0.178).術後総胆管結石(I)4例(II)0例で(I)のみで見られたが有意差なし(p=0.066).
IIbで手術を行わない理由は高齢17例,患者希望15例,心肺機能低下5例他不詳.退院後再燃を14例認めた.
【結論】中等症のACに対する早期LCは,入院期間が短く,手術の安全性を落とさずに急性期かつ根治的治療を完了できるが術後落石が4例あった.軽症例のACでは早期LCは手術時間が有意に長いものの比較的安全に手術を行えている.
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