演題

PM1-6

軽症・中等症急性胆嚢炎に対して,Tokyo Guideline2013重症度判定基準項目が術後成績に与える影響

[演者] 別木 智昭:1
[著者] 安部 智之:1, 天野 尋暢:1, 武智 瞳:1, 竹元 雄紀:1, 山根 宏昭:1, 藤國 宣明:1, 奥田 浩:1, 中原 雅浩:1
1:尾道総合病院 外科

【背景】急性胆嚢炎診療ガイドラインTokyo Guideline 2013(以下TG13)に記載されている様に,既往歴や併存疾患に伴うGⅢ診断項目に属する検査異常値が緊急胆嚢摘出術後の術後成績に与える影響は不明である.実臨床においては肝硬変や腎不全症例などでは,しばしば正確なGrade分類は困難である.
【目的】今回我々は,GradeⅢの診断基準項目が緊急胆嚢摘出術を行ったGradeⅠ(軽症)/Ⅱ(中等症)急性胆嚢炎に対する術後成績に与える影響を検証した.
【対象/方法】2011年から2015年に緊急手術を行った急性胆嚢炎全199例の内,189例がGradeⅠ+Ⅱと診断された.その中で非急性胆管炎合併の胆嚢炎93例を,既往疾患によってGradeⅢの診断基準項目を満たす群(GIII項目該当)10例と,GIII項目非該当群83例に分類し,背景因子と術後成績について比較検討を行った.GradeⅢの診断基準項目は,中枢神経障害,呼吸機能障害,腎機能障害,肝機能障害,血液凝固異常を用いた.統計解析はMann-WhitneyのU検定とカイ二乗検定を用いて,P値<0.05を有意差ありとした.
【結果】GI/II急性胆嚢炎93症例において,年齢・性別・body mass indexは同等であったが,GIII該当群において,血小板数(GIII該当vs非該当; 17.3万vs 24.5万, p=0.014),アルブミン値(3.3g/dl vs 3.8g/dl, p=0.013),クレアチニン値(0.96mg/dl vs 0.74mg/dl, p=0.042)と検査異常値が明らかに多かった.特に心血管系の既往疾患が明らかに多かった(50% vs 8.4%, p<0.001).手術内容として,腹腔鏡完遂率や手術時間,出血量には差が無かった.また術後合併症も同等の成績であったが,GIII該当群において術後入院期間が長期間あった(12.5日 vs 7日, P=0.003).
【結論】GradeⅠ/Ⅱの胆嚢炎において,GradeⅢの診断項目基準を満たす併存疾患があっても,術後成績に影響を与えなかった.TG13の診断基準を正確に行い,既往疾患を有するGI/II症例であっても積極的な緊急胆嚢摘出術が推奨される.
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