演題

PM1-5

急性胆嚢炎の待機手術の難易度は?; 抗生剤単独VS胆道ドレナージ

[演者] 松村 尚美:1
[著者] 谷口 堅:1, 糸瀬 磨:1, 森山 正章:1, 渡海 大隆:1, 北里 周:1, 徳永 隆幸:1, 竹下 浩明:1, 黒木 保:1, 藤岡 ひかる:1
1:長崎医療センター 外科

【目的】急性胆嚢炎においては,抗菌薬投与ないし胆嚢ドレナージで症状改善を図り,待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術 (Laparoscopic cholecystectomy; LC)を行うことを当院の基本方針としている.今回,抗菌薬単独治療群,胆道ドレナージ施行群での待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術の難易度についての比較検討を行った.
【対象と方法】2014年4月~2016年9月までに当院で施行されたLC 242例のうち,急性胆嚢炎診療ガイドラインの急性胆嚢炎診断基準を満たし総胆管結石症合併が無く,待機的LCを施行した39例を対象とした.これらを抗菌薬単独治療群 (➀群 n=22),胆道ドレナージ施行群 (②群 n=17)に群分けし,手術難易度の指標として手術時間を主要評価項目とし,急性胆嚢炎診療ガイドラインにおける重症度分類 (Grade I~III) 別に比較検討した.
【結果】両群で男女比に差なし.年齢は②群で高齢であった (年齢中央値:①群50歳,②群65.5歳, p<0.01).重症度分類別の症例数は,①群はGrade I:II:III=13:9:0,②群はGrade I:II:III=3:14:0であり,②群に重症例が多かった.手術時間中央値は,①・②群それぞれ132分 (94-216),124分 (82-181)であり有意差を認めなかった.術後在院日数の平均値は,①群4.44±1.0日,②群6.38±3.0日で②群が有意に長かった (p<0.05).開腹移行症例は,②群のGrade II症例で1例のみ認めた.Grade I症例での両群 (①群n=13と②群n=3)の比較では,年齢に差はなく,手術時間が②群で有意に短かった (①群133分,②群92分; p<0.05).②群の開腹移行例を除外したGrade II症例の (①群n=9,②群n=13)比較検討では,手術時間に有意差は無かったが,年齢は②群に高い傾向があった (年齢中央値:①群49歳・②群66歳).
【まとめ】急性胆嚢炎Grade I症例では,抗菌薬単独治療群と比較し胆道ドレナージ施行群の待機的LCの難易度が低い可能性がある.一方,Grade II症例においては,これらの術前治療は手術難易度に影響を及ぼさない.
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