演題

PM1-4

地域医療における胆嚢結石症に対する治療現状-手術待機中の胆管炎・胆嚢炎発症の検討-

[演者] 宮田 隆司:1,2
[著者] 田島 秀浩:2, 萩野 茂太:1, 坂本 浩也:1, 太田 哲生:2
1:珠洲市総合病院 外科, 2:金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科

【目的】2013年に急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン(以下,TG13)が改定され,急性胆嚢炎は早期または緊急胆嚢摘出術が望ましいとされている.しかし医師偏在や高齢化などの問題を抱える地域医療現場においてはTG13の忠実な実践には困難を伴うことも多く,待機的治療とせざるを得ない場合もある.今回,胆嚢結石症に対する待機的胆嚢摘出術症例を後方視的に調査し,手術待機期間中に急性胆管炎・胆嚢炎(以下,急性胆道炎)を発症するリスク因子を検討した.
【対象・方法】2012年4月~2016年10月までに,当院で待機期間を経て胆嚢摘出術を施行した胆石症77例を対象とし,待機期間中に急性胆道炎を発症したA群(12例)と,発症しなかったB群(65例)とに分類して両群間で術前背景因子,病歴,検査所見,画像所見を比較検討した.なお急性胆道炎の診断および重症度分類はTG13に従い,検査・画像所見の最も顕著な所見で評価した.
【結果】両群の術前背景因子には有意差を認めなかったが,初回発作でgradeII 以上の急性胆嚢炎を発症した症例がA群8例(66.7%),B群9例(13.8%),また経皮経肝的胆嚢ドレナージを必要とした症例がA群4例(33.3%),B群1例(1.5%)と,共にA群で有意に多かった(p<0.01).血液検査所見においても,A群はB群に比して白血球数(p=0.018),CRP(p=0.001),アルブミン(p=0.005),クレアチニン(p=0.015)の項目で有意に高値を示した.画像検査所見においては,胆嚢壁の5mm以上の肥厚症例がA群8例(66.7%),B群20例(30.8%)と,A群で有意に多かった(p=0.018).
【結語】TG13におけるgradeII以上の急性胆嚢炎で発症した胆石症例は,術前待機期間中に急性胆道炎の発症リスクが高く,可能であればTG13に従い早期手術加療を行うことが望まれる.待機的加療を選択せざるを得ない場合は急性胆道炎発作の再燃に注意が必要である.
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