演題

PM1-1

手術時期が急性胆嚢炎の治療成績に与える影響について

[演者] 増田 大機:1
[著者] 矢部 早希子:1, 山本 瑛介:1, 小林 建太:1, 吉村 哲規:1
1:東京都立大塚病院 外科

【背景】急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2013(TG13)によれば,軽症・中等症胆嚢炎は早期の胆嚢摘出手術が推奨されるが,実臨床においては,施設の特性によりガイドラインに則した治療が困難な場合もある.【目的】当院での急性胆嚢炎の手術成績から,手術のタイミングが治療成績に及ぼす影響を検討する.【対象と方法】2013年1月から2016年9月までに当院で手術を行った軽症・中等症急性胆嚢炎219例を対象とし,発症72時間以内(早期群)もしくは72時間以降(後期群)に手術を行うことでの手術・術後経過に及ぼす影響を検討し,後期群においては,発症72時間以上経過していたが緊急手術を行った症例(亜急性期群),保存的治療を完遂し待機的手術をした症例(待機群),待機期間中に再燃し緊急手術となった症例(再燃群)の3群に分け,カルテレビューによる後方視的解析を行い比較検討した.【結果】当院で急性胆嚢炎に対してTG13に則った治療が行えたのは93例/219例(42%)であった.早期群は20例(軽症9例/中等症11例)で,腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)14例,開腹移行(移行)4例,開腹胆嚢摘出術(OC)2例であった.後期群は199例(軽症174例/中等症25例)で,LC185例,移行9例,OC5例であり,亜急性期群/待機群/再燃群=25例(13%)/153例(77%)/21例(10%)であった.再燃群は全例緊急手術が施され,LC18例,移行1例,OC2例であった.手術時間は,早期群/亜急性期群/待機群/再燃群=132.5分/132分/134分/160分,出血量は早期群/亜急性期群/待機群/再燃群=34ml/0ml/0ml/27.5ml,術後在院日数は早期群/亜急性期群/待機群/再燃群=6日/4日/4日/7日で,総入院日数は,早期群/亜急性期群/待機群/再燃群=6.5日/9日/11日/17日であった.早期群と亜急性期群で,手術・術後短期成績に差はなかった.待機群は早期群に比べ,総入院日数は長くなるが,手術・術後短期成績に差はなかった.再燃群は,手術・術後短期成績,総入院日数において他群より劣る結果であった.【結論】実臨床では,発症から手術医療機関への受診までにすでに時間が経過している症例も多く,手術時期の決定に迷うことも多いが,発症からの時間経過を過度に考慮する必要性は低い.また,待機期間中に胆嚢炎が再燃すると周術期治療成績が劣る可能性が高いため,再燃の危険因子の同定や,早期手術を行うための初療科や麻酔科との連携などが今後の課題である.
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