演題

PL3-4

免疫組織学的手法を用いた膵頭部癌に対する総肝動脈神経叢郭清の意義評価

[演者] 浦部 和秀:1
[著者] 村上 義昭:2, 上村 健一郎:2, 近藤 成:2, 中川 直哉:2, 岡田 健司郎:2, 末田 泰二郎:2
1:安芸市民病院 外科, 2:広島大学大学院 外科学

【背景】膵癌において神経叢浸潤は予後不良因子であるが,総肝動脈周囲神経叢(PL-cha)における癌浸潤の実態に関わる報告は少ない.今回我々は抗cytokeratin7/8抗体を用いた免疫組織学的手法により,総肝動脈周囲神経叢における癌浸潤評価と神経叢郭清の意義を検証した.
【対象と方法】2013年5月より2016年11月までの期間で,広島大学病院消化器外科にて膵頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術を行った症例.術前CT所見から,腫瘍の発生原基を背側膵(Dosal)群,腹側膵(Ventral)群に分類した.また,術前CT所見により肝動脈浸潤が疑われ動脈合併切除を行った症例(HAR),肝動脈合併切除を要しなかった症例(non-HAR)に分類した. PL-cha標本に対し膵癌上皮成分を含むものに結合する抗cytokeratin7/8抗体を用いて免疫染色を施行し,神経叢における微小な腫瘍浸潤の検出を図った.総肝動脈神経叢への直接浸潤及び神経周囲浸潤を認めた症例を神経叢浸潤陽性(PL-cha+)と定義した.
【結果】症例は合計45例.HAR群 : non-HAR群=12 : 33例.Dorsal群:Ventral群=30: 15例.PL-cha+は7例に認められ,全てHAR群かつDorsal群であった.PL-cha+は全て術前画像で総肝動脈周囲に浸潤が疑われた症例であり,肝動脈合併切除を要しなかった症例については免疫組織染色による微小浸潤を含めて神経浸潤は認められなかった.
【結語】術前診断で総肝動脈浸潤が疑われる膵頭部癌では総肝動脈神経叢浸潤を伴う症例があり,神経叢郭清による根治性向上の可能性が示唆されたが,総肝動脈浸潤が否定的な症例に対しての神経叢郭清の意義は乏しいと考えられた.
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