演題

PL3-3

膵癌リンパ節転移症例の予後因子の検討

[演者] 山田 美保子:1
[著者] 杉浦 禎一:1, 岡村 行泰:1, 伊藤 貴明:1, 山本 有祐:1, 蘆田 良:1, 加藤 吉康:1, 大木 克久:1, 上坂 克彦:1
1:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

目的:浸潤性膵管癌においてリンパ節転移陽性は,予後不良因子の1つとして知られている.しかしながら,転移陽性症例における予後因子に関する大規模な報告は少なく,検討は不十分である.今回,リンパ節転移を有する浸潤性膵管癌症例における予後因子について後ろ向きに検討した.
対象と方法:2008年1月から2013年12月の間に浸潤性膵管癌に対し膵切除を施行した232例のうち,178例(77%)でリンパ節転移を認めた.そのうち,大動脈周囲リンパ節転移陽性例21例を除く157例を対象とした.これらのリンパ節転移陽性例に対して,リンパ節転移個数(number of metastatic lymph node; LNN),リンパ節転移率(ratio of metastatic lymph node; LNR)を含めた予後因子につき,単変量,多変量解析を用い検討した.また,LNN,LNRのカットオフ値は,log-lank testによるp値を参考にした.
結果:リンパ節郭清数の中央値は25(6-55)個,転移リンパ節数の中央値は3(1-7)個であった.生存率に対するLNNのカットオフ値は4で,生存中央値はLNN≧4群で17.4カ月に対し,LNN≦3群で25.3カ月であった(p=0.008).また,LNRのカットオフ値は0.2で,生存中央値はLNR≧0.2群で18.6カ月に対し,LNR<0.2群で23.7カ月であった(p=0.034).多変量解析では,LNN≧4 (hazards ratio (HR) 1.65, P=0.014),術後補助化学療法未施行(HR 1.97, P=0.002),CA19-9≧300 U/ml (HR 1.87, P=0.002)が有意な予後不良因子であった.
結論:浸潤性膵管癌リンパ節陽性症例においては,リンパ節転移率ではなく,リンパ節転移個数(4個以上)が有意な予後不良因子であった.
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