演題

PL3-2

膵癌術後再発因子の検討

[演者] 和泉 秀樹:1
[著者] 吉井 久倫:1, 横山 大樹:1, 宇田 周司:1, 小池 卓也:1, 杉山 朋子:2, 田尻 琢磨:2, 向井 正哉:1,2, 野村 栄治:1, 幕内 博康:1
1:東海大学付属八王子病院 外科, 2:東海大学付属八王子病院 病理診断科

【はじめに】膵癌は極めて予後不良な疾患である.切除可能膵癌であっても,その多くは切除後に再発をきたす.治療成績向上のためには,再発危険因子を把握し,再発予防のための効果的な化学療法を行う必要がある.
【目的】切除された膵癌患者を再発群と無再発群の2群に分け,その病理組織学的因子を検討することで,再発危険因子を明らかにする.
【対象と方法】2003年から2016年5月までに当院で切除された膵癌75例を後ろ向きに検討した.IPMN由来浸潤癌や退形性膵癌などの特殊形態癌は今回の検討からは除外した.再発までの期間および再発部位を検討した.また,再発群(n=52)と無再発群(n=23)で臨床病理学的因子を解析し,再発危険因子を明らかにした.
【結果】再発までの平均期間は370.4日(33-2632日)であった.再発部位はリンパ節転移 31例(60.0%),肝転移 15例(28.8%),腹膜播種 9例(17.3%),局所再発 9例(17.3%),肺転移 1例(1.9%)であった.膵癌の再発群と無再発群の比較では,単変量解析で,膵前方組織への浸潤(S),門脈浸潤(PV),膵節理断端(PCM),膵周囲剥離面(DPM),癌遺残度(R),リンパ管侵襲(ly),静脈侵襲(v),膵内神経浸潤(ne),リンパ節転移(N)において,再発群で有意に高かった.これらの因子を多変量解析で検討したところ,門脈浸潤(PV)(オッズ比0.067, 95%CI: 0.008-0.559, p=0.013)と癌遺残度(R)(オッズ比0.225, 95%CI: 0.054-0.941, p=0.041)が有意な因子として抽出された.
【結語】膵癌切除後の再発危険因子としては,門脈浸潤(PV)と癌遺残度(R)が有用である.門脈浸潤(PV)と癌遺残度(R)が陽性の症例に対しては,効果的な化学療法を行うことで,予後改善に寄与する可能性が示唆された.
詳細検索