演題

PL2-6

急性胆嚢炎を契機に診断された腎細胞癌胆嚢転移の1例

[演者] 松本 健司:1
[著者] 江本 桂:2, 田口 昌延:1, 寺内 寿彰:1, 木全 大:1, 古川 潤二:1, 小林 健二:1, 尾形 佳郎:1, 篠崎 浩治:1
1:済生会宇都宮病院 外科, 2:済生会宇都宮病院 病理診断科

腎細胞癌は約30%に同時性遠隔転移が認められ,原発巣切除を施行した症例の約30%が後に遠隔転移が出現するとされている.遠隔転移部位は肺,骨,肝臓等の多彩な臓器への転移が多いとされているが,胆嚢への転移は稀とされている.今回我々は急性胆嚢炎を発症し,腎細胞癌胆嚢転移と診断された症例を経験したため報告する.
症例は58歳,女性.2012年9月左腎細胞癌(pT1a N0 M0 stageⅠ)に対して左腎摘術を施行され,以後,当院泌尿器科通院中であった.
2015年11月心窩部痛精査に当科外来受診し,腹部超音波検査で胆嚢壁肥厚,胆泥貯留,胆嚢底部に20mm大の広基性腫瘍性病変を認め,急性胆嚢炎,胆嚢癌疑いの診断で入院となった.造影CTで胆嚢底部に動脈相で造影効果が強い22mm大の広基性腫瘍を認め,造影MRIでは早期相で濃染,平衡相でも造影効果遅延し,原発性胆嚢癌を疑い胆嚢摘出術施行した.術中迅速病理診断にて,深達度m相当の悪性所見を認め原発性胆嚢癌が考えられた.術後切除標本病理検査所見では既往の淡明細胞型腎細胞癌に類似した所見を認め,腎細胞癌胆嚢転移の最終病理診断となった.
医学中央雑誌で「腎細胞癌」,「胆嚢転移」,PubMedで「renal cell carcinoma」,「gallbladder metastasis」をキーワードにかけて検索した文献的報告と自験例を含めた腎細胞癌胆嚢転移症例は68症例であった.急性胆嚢炎を契機に手術加療,診断に至った報告は自験例を含めわずか9例のみであり,非常に稀であるため文献的考察を加えて報告する.
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