演題

PL2-4

胆嚢癌肉腫の1例

[演者] 水内 喬:1
[著者] 佐藤 やよい:1, 丸山 尚嗣:1, 田中 元:1, 貝沼 修:1, 夏目 俊之:1, 宮崎 彰成:1, 野手 洋雅:1, 吉岡 隆文:1, 清水 辰一郎:2
1:船橋市立医療センター 外科, 2:船橋市立医療センター 臨床病理

症例は60歳,男性.近医腹部エコーで胆泥,胆嚢壁肥厚指摘され,当院紹介受診となる.腹部超音波検査,造影CTで胆嚢内に不整形腫瘤認め,胆嚢癌の診断で手術施行した.胆嚢は緊満し固く胆嚢癌を強く疑う所見であった.拡大胆嚢摘出術(肝床部約1cm切除),肝外胆管切除術,十二指腸部分切除術,リンパ節郭清術施行した.術後胆汁漏認めたが保存的に軽快し,第60病日で退院.病理は腺癌成分と,未分化な肉腫様の形態を示す腫瘍成分を認め,胆嚢癌肉腫と診断した.十二指腸,肝臓へ浸潤を認めたが,どちらも切除断端は陰性で,リンパ節転移は認めなかった.
化学療法希望されず経過観察していたが,術後7か月のCTで右肺S6に結節影出現.GEM投与開始したが肺結節影は増大傾向で,その他には転移明らかでなかった為,胸腔鏡下右下葉部分切除術施行.病理は胆嚢癌肉腫の肺転移であった.
最初の手術から26か月後,転倒を契機に撮影した頭部CTで腫瘍を認め,構音障害や運動性失語も増悪あり手術の方針となる.腫瘍はほぼ全切除となったが,脳室周囲の僅かな残存病変にγナイフ施行.病理は胆嚢癌肉腫の脳転移の所見であった.
最初の手術から29か月後のCTで両肺に結節影出現し,肺転移の診断でGEM,CDDP投与開始.現在担癌生存中である.
癌肉腫は同一腫瘍内に上皮由来の癌腫と非上皮由来の肉腫が混在する腫瘍である.消化器以外にも泌尿器,呼吸器,生殖器など様々な臓器に認められるが,胆嚢原発は稀である.また,癌肉腫はほとんどが早期に再発し予後不良である.癌肉腫は,癌肉腫として転移することもあれば,癌腫のみ,肉腫成分のみの転移もありうる.本症例では肺転移は癌肉腫の転移,脳転移は癌腫のみの転移であった.
医学中央雑誌で「胆嚢癌肉腫」で1979年~2016年で検索したところ(会議録除く),自験例含め76例認め,胆嚢癌肉腫は比較的稀な症例である.今回われわれは進行胆嚢癌肉腫で,術後32か月経過し担癌生存中の症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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