演題

当院における腹腔鏡下胃全摘・噴門側胃切除術手技と短期成績

[演者] 幕内 梨恵:1
[著者] 入野 誠之:1, 徳永 正則:1, 谷澤 豊:1, 坂東 悦郎:1, 川村 泰一:1, 絹笠 祐介:2, 杉浦 禎一:3, 上坂 克彦:3, 寺島 雅典:1
1:静岡県立静岡がんセンター 胃外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 3:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

【はじめに】胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術(LTG)/噴門側胃切除術(LPG)は,脾動脈幹や脾門部リンパ節郭清が困難であることや,食道空腸吻合に技術を要するため難易度が高い術式である.我々は2013年10月から定型化したLTGを導入した.当院のLTG/LPGの手術手技とその短期成績を報告する.
対象:腹腔鏡手術はcStage I,ロボット支援下手術はcStage I-IIが対象.脾摘を要する大弯に位置する進行癌は対象外とした.早期胃癌で2分の1以上の残胃を確保できる場合は原則としてPGを選択している.
【郭清手技】LTG/LPGの郭清のポイントは4saと11dである.4saの郭清に際しては左胃大網動静脈切離後に脾臓上極で胃脾間膜を切離し,これを進展させることにより安全に郭清が可能である.11d郭清では内側アプローチで左胃動静脈を切離後,Gerotaと膵後筋膜間のfusion fasciaを広範囲に剥離する事により胃膵ひだが進展し,確実な郭清が可能である.
【吻合手技】LTGはRY再建,LPGはdouble tract再建を行い,食道空腸吻合はlinear staplerを用いたfunctional end-to-end anastomosis (FEEA)法またはoverlap法を行う.腹部食道を切離後,食道左縁を十分に剥離するが右縁の剥離は最小限に留める.食道断端の左側3分の1にstapler挿入孔を作成.食道断端から出した胃管をガイドにstaplerを挿入し吻合する.共通孔の閉鎖はFEEA法ではstaplerで,overlap法では手縫い縫合で行う.ヘルニア予防に食道前壁後壁を横隔膜脚に固定する.
【成績】2013年10月~2016年10月までに5名の技術認定医がLTGを42例,LPGを29例行なった(ロボット支援下を含む).手術時間中央値359分,出血量中央値30 ml.Clavien-Dindo分類Grade III以上の腹腔内感染性合併症(縫合不全,膵液瘻,腹腔内膿瘍)は4例(5.6%)に認めたが,食道空腸吻合部関連合併症は縫合不全1例(1.4%)のみで,25例目以降は1例も認めなかった.吻合部狭窄は認めなかった.術後在院期間中央値は9日であった.
【結語】当院の導入当初からのLTG/LPGの短期成績は良好な結果であった.定型化した方法で技術認定医が行えば,LTG/LPGは安全に施行できると考える.
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