演題

PL2-2

肝外胆管より発生し腺癌との混在を認めた大細胞神経内分泌癌の1例

[演者] 湯田 匡美:1
[著者] 中島 啓吾:1, 伊藤 恵理子:1, 鈴木 英之:1, 松田 実:1, 萩原 慎:2, 薄葉 輝之:2, 古川 良幸:2
1:春日部中央総合病院 外科, 2:AOI国際病院 外科

神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor; 以下,NET)は神経内分泌細胞に分化した腫瘍の総称である.大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma;以下,LCNEC)は,NETにおいて悪性度の高い腫瘍と分類されている.LCNECのこれまでの報告は肺に多く,胆道系を含む消化器の報告例は極めて少ない.今回我々が経験した肝外胆管より発生し腺癌との混在を認めたLCNECについて文献的考察を加え報告する.
症例は76歳女性で,心窩部の違和感を主訴に近医を受診し,肝腫瘍の疑いで当科紹介となった.腹部エコー,腹部CT,PET-CTにて肝内腫瘍と肝左葉および尾状葉の肝内胆管の拡張を認めた.肝内胆管癌の診断で拡大左肝切除術を行った.
腫瘍は肝S4に38×35×27mmの白色充実性病変として認められた.肝外胆管には核の腫大・極性の乱れを有する異型細胞が胞巣状増生しており,中分化型管状腺癌から低分化型腺癌に相当する像が認められた.また肝内の充実性成分の70%以上がより未分化な腫瘍で占められていた.核分裂像は4個/10HPFであった.免疫組織染色検査の結果,chromogranin Aは陰性,synaptophysin,CD56が陽性となり,Ki67指数(MIB-1標識率)は90%であった.以上の所見から肝外胆管由来の腺癌成分の混在を認めるLCNECと診断された.
胆嚢・胆管原発のLCNECの報告は18例検索し得た.18例中13例に外科的切除が施行されており,うち8例は術前あるいは術後に化学療法(放射線化学療法)が行われていた.18例中11例が初回治療から1年以内に死亡しており,予後不良な疾患であると考えられた.本症例に関しても厳重な経過観察が必要と考えている.胆道系に発生したLCNECはまれな疾患であり,治療法が確立されていない.今後も多くの施設からの報告を集積し有効な治療法を検討する必要がある.
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