演題

PL2-1

先天性胆道拡張症術後の遺残嚢腫・胆管に発生したmixed adenoneuroendocrine carcinoma (MANEC)の1例

[演者] 橋本 真治:1
[著者] 小田 竜也:1, 下村 治:1, 高橋 一広:1, 大城 幸雄:1, 倉田 昌直:1, 大河内 信弘:1
1:筑波大学附属病院 消化器外科

先天性胆道拡張症に対する分流手術(嚢腫切除+肝外胆管切除)は一般的であるが,遺残嚢腫や遺残胆管の発癌は問題の一つである.今回我々は,膵内遺残嚢腫/胆管に発生したmixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)の切除例を経験した.
症例は42歳男性.先天性胆道拡張症 戸谷IA型に対して嚢腫切除+肝外胆管切除(分流手術)施行され,以後,定期的に経過観察されていた.術後2年半のCT検査で,膵内遺残胆管に隆起性病変を認め,遺残胆管癌の診断で紹介となった.身体所見・血液学的所見は特記すべき異常なし.造影CT/MRIから乳頭浸潤型の膵内遺残嚢腫/胆管癌と術前診断し,亜胃温存膵頭十二指腸切除を施行した(SSPPD-IIA).手術時間9時間40分,出血量 1539mlであった.胆管内腔には,白色浮遊物と膵液と思われる透明な液体を認め,内腔に突出するように25×15×10mmの隆起性病変を認めた.分流手術をした際の病理所見では上皮内癌を示唆するような異型腺管構造認められていない.切除病理標本では浸潤癌成分は胆管粘膜から漿膜に向かって異形腺管を伴うadenocarcinomaであり,胆管内腔側に隆起する成分がneuroendocrine carcinoma(NEC)成分のみとなっているはっきりとした境界をもつ像を呈していた.NEC成分が70%, 腺癌成分が30%であり,混合型腺神経内分泌癌(MANEC)と最終診断した.進行度はT2N0M0 Stage IB (UICC: pT2N0M0 Stage IB)であった.既知の報告では,膵内遺残胆管再発腫瘍の病理組織診断の大半がadenocarcinomaであり,MANECの報告はなく,非常にまれな症例であった.膵内遺残胆管再発腫瘍症例の予後は非常に悪いという報告に加え,MANECも予後の悪い腫瘍の一つである.術後補助療法についても検討中であるが,現在は厳重経過観察中であり,術後3か月で再発なく経過している.遺残嚢腫や膵内遺残胆管の再発腫瘍症例と胆道のMANEC症例について,文献的考察を加え報告する.
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