演題

PL1-6

胆道出血を契機として発見された胆道癌の2例

[演者] 虫明 泰:1
[著者] 青木 秀樹:1, 國友 知義:1, 谷口 文崇:1, 安原 功:1, 内海 方嗣:1, 荒田 尚:1, 勝田 浩:1, 田中屋 宏爾:1, 竹内 仁司:1
1:岩国医療センター 外科

【緒言】胆道出血を契機に発見された胆道癌の2例を報告する.【症例】症例①:88歳,男性.上腹部痛を主訴に当院救急を受診.腹部CT検査で総胆管から左肝管にかけて高吸収域を認め,ERCPで胆道出血と診断した.中部胆管にSMT様の隆起を認めたが,胆道鏡検査での胆管生検では悪性所見は確認できず,IgG4関連硬化性胆管炎の診断でプレドニン内服を開始した.その後,IgG4の低下を認めるも胆管狭窄は増悪しており,初診から11か月後にERCPを再検した.胆汁細胞診でClassⅢb,生検で腺癌を疑う像であり,翌月,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本所見:腫瘍は肝門部胆管を主座とするBpBd,circ,平坦浸潤型,4.8×3.6cm,tub2>por2,pT2a,int,INFb,ly2, v2,ne3,pN0,pHM1,pEM1でStageⅡであり,IgG4陽性であった.永久標本では胆管切除断端に浸潤成分を認めた.術後,外来で補助療法を行ったが,多発肝転移再発を来たし,手術から15か月後に永眠された.症例②:79歳,男性.上腹部痛を主訴に紹介医を受診.腹部CT検査で胆道出血の診断で当院紹介となった.ERCPで上部胆管に壁の不整を認め,胆嚢管は起始部のみしか造影されなかった.腫瘍以外に血腫を認めた.胆汁細胞診はClassⅢb,超音波内視鏡検査で胆嚢管に不整な壁肥厚を認め,胆嚢管癌の診断で当科紹介となった.右肝動脈への浸潤が疑われたため,術前化学療法GEM+CDDPを2コース施行後,手術の方針となった.手術所見:左右肝管の切除を行い,それぞれ挙上空腸と胆管空腸吻合を行った.右肝動脈は合併切除を行い,右大伏在静脈で再建した.切除標本所見:胆嚢管を主座とする肝外胆管~胆嚢頚部への進展を認める腫瘍であった.CBdpGn,circ,nodular-infiltrating type,22×20mm,tub2>por2,pT2(SS),int-sci,INFb,ly1,v2,ne3,pN0,pDM0,pHM0,pEM0,pA0,pR0. 術後,右肝管空腸吻合部から胆汁漏を認めたが,保存的に軽快した.現在外来で経過観察中である.【考察】胆道出血は上部消化管出血のうち2-5%と比較的稀な病態である.腫瘍性胆道出血の多くは胆嚢癌や胆管内進展を有する肝細胞癌であり,胆管癌は極めて少ない.胆嚢癌が多い要因としては,乳頭型腫瘍は脱落による出血を来しやすいといった特徴や,腫瘍の増大で閉塞性黄疸を来たし,出血以前に診断,治療が行われる可能性が高いことが推察されている.しかし症例数は少なく,未だ一定の見解が得られていない.本症例を加え,臨床的,病理学的特徴について文献的考察を加えて報告する.
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