演題

PK3-7

嚢胞を形成した膵原発Mixed Adeno-Neuroendocrine Carcinomaの1例

[演者] 島田 奈緒:1
[著者] 荒居 琢磨:1, 秋田 眞吾:1, 飯沼 伸佳:1, 三輪 史郎:1, 澤野 紳二:1, 百瀬 芳隆:1
1:岡谷市民病院 外科

【はじめに】膵原発のMixed Adeno-Neuroendocrine Carcinoma(MANEC)は,外分泌腫瘍と内分泌腫瘍が混合する非常に稀な腫瘍である.今回,嚢胞を形成した膵MANECの1例を経験したため文献的考察を加えて報告する.
【症例】67歳女性.2型糖尿病,高血圧にて内科通院中.12年前より膵体部に20mmの嚢胞性病変を指摘され,年1回CT検査にて著変なく経過観察されていた.黄疸,全身倦怠感を主訴に当院受診.CTにて膵頭部に新たに18mmの充実性腫瘤を認め,肝内胆管から総胆管,および主膵管の拡張を認めた.また,膵体部の嚢胞性病変も35mmに増大し,一部壁在結節を認めた.ERCPでは膵内胆管の閉塞を認め,膵頭部癌の診断にて,減黄の後に体部の嚢胞性病変を含む膵頭十二指腸切除術を施行した.術後経過は良好であった.病理検査では,膵頭部腫瘍は通常型膵管癌(T3N1M0,pStageⅢ),体部の嚢胞性病変は,非浸潤性の異型腺上皮とG1に相当するNETの増殖を認め,MANECと診断された.膵頭部の浸潤癌と体部の腫瘍に連続性は認めなかった.術後2ヶ月より膵管癌に対する補助化学療法としてS-1内服を開始し,現在術後5ヶ月が経過しているが無再発生存中である.
【考察】神経内分泌腫瘍(NET)は稀な腫瘍で,膵や消化管に発生することが多い.2010年にWHOが発表したNETの新分類において,NETと外分泌腫瘍の両者が30%以上含まれる腫瘍はMANECと分類されたが,消化管での発生が多く,膵MANECに関する報告は少ない.文献的に検索可能な膵原発MANECのうち,嚢胞性の病変であった症例の報告はなかった.治療法についても確立したものはないが,可能であれば外科的切除が行われることが多く,完全切除であれば予後良好である可能性が指摘されている.また,全身治療として化学療法を行い,良好な経過を得ている症例も報告されている.多発転移を認める症例では予後は不良とされるが,長期予後について検討した報告はなく,更なる症例の蓄積が待たれる.
【結論】嚢胞を形成した膵原発MANECの症例を経験した.嚢胞性腫瘍の鑑別には,稀ではあるがMANECも念頭に置き診療を行う必要があると考えられた.
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