演題

PK3-4

非機能性膵神経内分泌腫瘍における至適リンパ節郭清に関する検討

[演者] 青木 豪:1
[著者] 石田 晶玄:1, 坂田 直昭:1, 大塚 英郎:1, 水間 正道:1, 林 洋毅:1, 森川 孝則:1, 内藤 剛:1, 元井 冬彦:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【はじめに】膵神経内分泌腫瘍(pNET)は比較的稀な疾患ではあるが,近年増加傾向にある.2010年WHO分類によりNET-G1,G2,NECに分類される.また,近年本邦で発表された膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドラインにより,日常臨床における指針が示された.この中で散発性の非機能性pNET(NF-NET)は切除術が推奨されており,腫瘍径により,術式・リンパ節郭清の推奨度が異なる.【目的と方法】当科で2006年~2016年の10年間に膵切除術を施行した129例のpNETのうち,NF-NET 65例を対象とし,リンパ節転移の頻度・様式と,腫瘍生物学的特性を比較し,適切なリンパ節郭清範囲について検討する.【結果】NF-NET65例中,リンパ節転移症例は16例(25%)に認められた.2010年WHO分類で検討すると,リンパ節転移 症例ではG2症例が有意に多かった.リンパ節転移(+); G1:G2:NEC=1:13:2,リンパ節転移(-); G1:G2:NEC=21:24:4 (p=0.01).腫瘍径平均はリンパ節転移(+) :リンパ節転移(-)=36.25:23.84mm (p=0.47)と転移症例で大きかったが,転移例の中には20mm以下の症例も存在した(7, 10, 11, 14, 17mm).転移リンパ節は,腫瘍近傍リンパ節(1群リンパ節)が大部分であった.しかしながら2群以上のリンパ節への転移を認めた症例が2例(膵頭部原発(ph)1例および膵尾部(pt) 1例)存在した.phでは#14pに,またptでは#14a,16に転移を認めた症例であった.前者はNET-G2で31mm大,後者はNECで70mm大のものであった.
【考察】NF-NETでは,1cm以下の腫瘍は核出術,1~2cmの腫瘍の場合は核出術または膵切除術を推奨.2cm以下の腫瘍で非定型的膵切除を行う場合であっても,リンパ節郭清を推奨している.当科の症例でも2cm以下でリンパ節転移症例は存在し,7mmでも転移をきたしたものも存在した.【結語】NF-NETでは腫瘍径が小さくてもリンパ節転移の危険性がある.今回の検討からは,過不足のない郭清範囲は,腫瘍近傍リンパ節に加えて,2cm以上であればその中枢側リンパ節(#14)を含めた郭清が妥当であると思われた.
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