演題

PK3-3

膵神経内分泌腫瘍におけるリンパ節転移の意義

[演者] 高城 克暢:1,2
[著者] 橋本 大輔:2, 有馬 浩太:2, 甲斐田 剛圭:2, 宮田 辰則:2, 中川 茂樹:2, 今井 克憲:2, 山下 洋市:2, 近本 亮:2, 馬場 秀夫:2
1:都城医療センター 外科, 2:熊本大学大学院 消化器外科学

【背景および目的】膵神経内分泌腫瘍は比較的稀な疾患であり,膵癌と比較し一般的に予後良好と言われている.しかし,リンパ節転移を有した膵神経内分泌腫瘍の予後については不明確であり,どのような症例にリンパ節郭清をすべきかについては議論がなされている.膵神経内分泌腫瘍に対するリンパ節転移の意義を明らかにすることを目的に解析を行った.【対象】2001年4月から2016年9月までにリンパ節郭清を伴う膵切除術(膵頭十二指腸切除術15例,膵体尾部切除術34例,膵部分切除術6例)を施行した膵神経内分泌腫瘍55例(非機能性34例,インスリノーマ17例,グルカゴノーマ2例,ガストリノーマ1例,VIPオーマ1例)を対象とした.リンパ節転移の有無に分類し,臨床病理学的特徴について解析した.また無病生存率,全生存率に影響を及ぼす因子についても検討した.【結果】5年無病生存率はリンパ節転移陽性群で55.6%,リンパ節転移陰性群で83.2%(P = 0.12),5年全生存率はリンパ節転移陽性群で75.0%,リンパ節転移陰性群で90.3%であった(P = 0.09).リンパ節転移は無病生存および全生存の多変量解析で独立危険因子とならなかった.一方5年無病生存率は腫瘍径が1.8cm以上の群で57.1%,腫瘍径が1.8cm未満の群で92.9%(P = 0.01),5年全生存率は腫瘍径が1.8cm以上の群で69.7%,腫瘍径が1.8cm未満の群で100%であった(P = 0.003).1.8cm以上の腫瘍径は無病生存の多変量解析で独立危険因子とならなかったが(P = 0.22),全生存の多変量解析では独立危険因子となった(P = 0.009).【まとめ】リンパ節転移は独立危険因子ではなかったが,1.8cm以上の腫瘍径は全生存の独立危険因子であった.リンパ節郭清はほぼ全ての膵神経内分泌腫瘍で推奨されるが,とりわけ1.8cm以上の腫瘍径のものには積極的に行うべきである.
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