演題

PK2-1

遠位胆管癌および膵頭部癌における好中球/リンパ球比と予後との関連

[演者] 宮原 洋司:1
[著者] 大多和 哲:1, 清水 善明:1, 近藤 英介:1, 西谷 慶:1, 伊藤 勝彦:1, 清水 公雄:1, 中田 泰幸:1
1:成田赤十字病院 外科

<緒言>近年,宿主の反応が癌の進展に影響を与えることがこれまで報告されており,様々な癌腫において,宿主の炎症反応の指標で,術前に評価可能である好中球/リンパ球比(以下,NLR)と長期予後との関連について報告されてきている.<方法>2000年1月1日から2015年12月31日までの16年間に当院にて施行した膵頭十二指腸切除術のうち,遠位胆管癌37例および膵頭部癌57例について,好中球/リンパ球比と長期予後との関連を検討した.<結果> 遠位胆管癌の累積5年生存率は32.4%で,膵頭部癌の累積5年生存率は21.9%であった.NLRが2.5未満と,2.5以上の2群に分類し検討したところ,遠位胆管癌においては,NLRが2.5未満の群の生存中央値は894日,2.5以上の群では357日であり有意差が認められた(p=0.0171).一方,膵頭部癌においては,NLRが2.5以下の群の生存中央値は320日,2.5以上の群では387日であり,有意差が認められなかった(p=0.1254) (Fig.1).なおNLRの平均値は,遠位胆管癌では2.69±3.72(0.81-22.50),膵頭部癌では2.76±2.28(0.67-15.33)であり,差を認めなかった.さらに,遠位胆管癌においては,アルブミン低値でCRP高値である症例は予後不良であったが,膵頭部癌においてはそのような相関は認められなかった.<結語>遠位胆管癌と膵頭部癌はいずれも膵頭十二指腸部に存在し,同様の術式を施行するにも関わらず,宿主因子であるNLR,アルブミン値およびCRPと長期予後との関連性に解離がみられることは,癌種により宿主の反応に違いがある可能性が示唆された.

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