演題

PK1-2

Xanthohumolの膵癌細胞株におけるNFκBシグナルを介した抗腫瘍効果に対する検討

[演者] 齊藤 健太:1
[著者] 松尾 洋一:1, 森本 守:1, 坪井 謙:1, 社本 智也:1, 佐藤 崇文:1, 大久保 友貴:1, 前田 祐三:1, 今藤 裕之:1, 竹山 廣光:1
1:名古屋市立大学大学院 消化器外科学

【目的】膵癌は消化器癌の中で悪性度が最も高い.既存の抗がん剤治療は副作用も強く,その効果も十分に満足できるものではなく,新たな治療薬の開発は急務である.最近,天然化合物において,強い抗炎症効果が示され,その作用の多くはNFκBシグナルが関与していると報告されている.我々は今までに膵癌の転移や血管新生に,転写因子NFκBが重要な役割を果たしていることを報告してきた.これらのことより,ホップから生成された天然化合物であり,高い抗炎症作用を有するXanthohumol(XN)に着目し,膵癌細胞に対して,XNがNFκB活性を抑制し,腫瘍血管新生を低下することを検討する.
【方法】膵癌細胞株(BxPC3,AsPC1)を用いて,XNの抗腫瘍効果を検討した.XN刺激下における細胞増殖抑制効果をWST-1assayを用いて評価した.XN刺激による,NFκB活性の抑制効果を評価した.血管新生因子であるVEGFおよびIL-8それぞれのmRNAとタンパクの発現に対するXNの抑制効果をRT-PCRとELISAを用いて評価した.また,抗血管新生作用を評価するため,血管内皮細胞と線維芽細胞を共培養するin vitro angiogenesis assayを用い,膵癌との共培養によって亢進した血管内皮細胞の管腔形成能に対するXNの抑制効果を検討した.
【結果】WST-1 assayにおいて,XN刺激により腫瘍増殖抑制効果を認めた.NF-κB活性はXN濃度依存的に抑制された.Real time RT-PCRでは,XN濃度依存的にVEGF,IL-8のmRNA発現減少を認め,ELISAでも同様に,VEGF,IL-8のタンパク発現減少を認めた.Angiogenesis assayでは,膵癌細胞と共培養することにより血管内皮細胞の管腔形成能の亢進を認めるが,XN刺激によりそれは抑制された.
【結論】XNは膵癌細胞に対して,転写因子NFκBの活性を抑制し,その結果,血管新生を低下した.血管新生は膵癌の増殖を亢進するため,XNの膵癌に対する新規治療薬の可能性が示唆された.
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