演題

PJ3-6

当院における高齢者膵頭十二指腸切除術の短期成績の検討

[演者] 門脇 嘉彦:1
[著者] 渡邉 彩子:1, 服部 賢司:1, 久保田 暢人:1, 奥本 龍夫:1, 岡本 貴大:1, 石堂 展宏:1
1:神戸赤十字病院 外科

侵襲の大きな膵頭十二指腸切除術(PD)も,High-volume centerでは安全に施行されているが,地域の市中病院では,症例が少ないにも関わらず高齢者の割合が多く,さらなる慎重さを要求される.我々はPD患者を75歳以上(以下E群)と75歳未満(以下Y群)の2群に分け,後方視的に短期成績を比較検討した.【対象と方法】2006年1月から2016年11月までのPD症例42例で,E群19例,Y群23例を検討した.【結果】疾患内訳は,膵癌14例,IPMN 3例,胆管癌16例,十二指腸乳頭部癌6例,十二指腸癌2例,膵浸潤胃癌1例であった.年齢の中央値は,E群は81(75-86)歳,Y群は65(44-74)歳であった.併存疾患において,糖尿病はE群4例(21.1%)Y群4例(17.4%),心血管系疾患は10例(52.6%),2例(8.7%), 呼吸器疾患は3例(15.8%),2例(8.7%),肝疾患は3例(15.8%),2例(8.7%),Crが1以上の腎機能低下例は1例(5.2%), 2例(8.7%)で,心血管系疾患併存のみがE群で有意に多く認められた(p=0.005).術前の予後栄養指数PNI値は,E群で37.8±8.5, Y群で46.7±5.6で有意差を認めた(p<0.001).手術時間はE群で480(311-856)分,Y群で501(289-699)分で,出血量は640(100-1590)ml,700(80-1350)mlで共に有意差を認めなかった.輸血はE群で5例(26.3%),Y群で1例(4.3%)に投与され有意差を認めた( p=0.043).術後合併症としてClavien-Dindo IIIa以上はE群で5例(26.3%),Y群で2例(8.7%)であり,GradeB以上の膵液瘻は3例(15.8%),1例(4.3%)で,せん妄は3例(15.8%),2例(8.7%),胃排出遅延は2例(10.5%),0例,重症感染症は2例(10.5%),1例(4.3%)であり,術後合併症で両群間に統計学的有意差は認めなかった.術後在院日数はE群で32(13-60)日,Y群で17(11-35)日で有意差を認めた(p=0.010).【結論】高齢者は循環器系疾患を併存してることがを有意に多く,栄養状態も悪いため,有意差はないものの術後合併症を引き起こしやす状況にあると思われ,より慎重に対応していく必要があると思われた.
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