演題

PJ3-5

高齢者に対する膵頭十二指腸切除術後の感染性合併症の検討

[演者] 星川 真有美:1
[著者] 西川 誠:1, 野呂 拓史:1, 平木 修一:1, 青笹 季文:1, 神藤 英二:1, 辻本 広紀:1, 上野 秀樹:1, 長谷 和生:1, 山本 順司:1
1:防衛医科大学校病院 外科

【背景と目的】膵頭十二指腸切除術(PD)は手術侵襲が比較的大きく術後合併症も多い術式だが,近年社会の高齢化とともに,対象患者も高齢化している.本研究ではPD後の感染性合併症に着目して周術期経過を比較し,高齢者に対する本術式の安全性にかかわる特徴を検討した.
【対象と方法】2014年1月から2016年9月までの期間で当科にてPDを施行した83症例を対象とし,75歳未満(A)及び75歳以上(B)の各群において,術後の感染性合併症を①手術関連部位感染症(胆管炎,肝膿瘍,腹腔内膿瘍,創感染など)②遠隔部位感染症(腸炎,肺炎,尿路感染症,カテーテル感染症など)に分けて検討した.
【結果】全83症例の内訳は,性別M:F=49:34,年齢:34-92(中央値71)歳,疾患:膵癌37例,胆管癌15例,Vater乳頭部癌11例/腺腫2例,膵IPMC 8例/IPMN 1例,十二指腸癌3例/NET1例,動脈瘤1例,腎癌膵転移1例.A群 63例,B群 20例であり,手術時間及び出血量はA/B間で有意差を認めなかった(P=0.38/0.24)が,術後感染性合併症の頻度は①でA群 44.4%(28/63症例), B 45%(9/20症例) (P=0.97)であったのに対し,②ではA群 4.8%(3/63症例), B群 35%(7/20症例) (P=0.014)であり,術後在院日数,手術関連死亡率はA/B群間で有意差を認めなかった(P=0.35/0.12).遠隔部位感染症の内訳は,A群で腸炎:2例,肺炎:1例,カテーテル感染:1例,B群で腸炎:4例,:肺炎2例,尿路感染:1例,カテーテル感染:1例(いずれも重複あり)であった.
【結論・考察】高齢者に侵襲の大きな手術を行う場合,PD特有の合併症では年齢での差は無く,入院期間や死亡率にも差は無かった.一方で,腸炎や肺炎など遠隔部位の感染症は有意に多く,PDは高齢者に対して安全に施行し得るが,より全身的に慎重な術前評価,周術期管理を要すると考えられた.
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